共通テストのリスニング対策|点数が伸びる勉強法とおすすめ教材

共通テストの英語は、リーディングとリスニングがどちらも100点ずつです。リスニングだけで全体の半分を占めるのに、「音声が速くて追いつけない」「一度聞いただけでは内容が残らない」と悩む受験生はとても多いです。

私は教育アドバイザーとして、リスニングで苦戦する生徒さんをたくさん見てきました。そこで感じるのは、リスニングは才能ではなく、練習の順番で伸びる分野だということです。この記事では、試験の仕組みから勉強法、塾や教材の選び方まで、順を追って紹介します。

共通テストのリスニングはどんな試験か

まずは相手を知るところから始めましょう。形式や配点を押さえておくと、練習で意識すべきポイントがはっきりします。ここでは出題の全体像と、リーディングとの違いを整理します。

出題形式と配点の基本

リスニングは100点満点で、試験時間は約30分です。大問は第1問から第6問まであり、前半は短い会話や対話、後半は長めの会話や講義が中心になります。

音声が流れる回数は大問によって違います。第1問・第2問は2回、第3問以降は原則1回です。後半ほど配点が高く、聞き逃したときの取り返しがききにくい構成になっています。

大問主な内容読まれる回数
第1問短い発話の内容一致2回
第2問対話と図表やイラストの選択2回
第3問会話の要点把握1回
第4問モノローグとグラフの読み取り1回
第5問講義とワークシートの完成1回
第6問会話や議論の理解1回

表のとおり、後半の大問は1回しか聞けません。年度によって細かな違いが出ることもあるので、最新の形式は大学入試センターの公式サイトで確認しておくと安心です。

リーディングとの違い

リーディングは、わからない箇所に戻って読み直せます。ところがリスニングは、音声が流れた瞬間に理解しなければいけません。この「戻れない」という特徴が、最大の違いです。

また、リスニングでは情報を処理する速さが問われます。文法や単語の知識があっても、頭の中で日本語に訳していると、次の文が始まってしまいます。英語の語順のまま理解する練習が欠かせません。

もうひとつ、リスニングは設問文や選択肢を先に読める点も特徴です。ここをうまく使えると、聞くべきポイントが絞れます。リーディングで鍛えた速読力が、先読みの場面で生きてきます。

難しく感じる3つの理由

生徒さんから多く聞くのは、次の3つです。

  • 音声のスピードについていけない
  • 数字や固有名詞を聞き逃す
  • 聞いている間に前半の内容を忘れる

この3つは、それぞれ原因が違います。スピードは耳の慣れ、聞き逃しは集中の配分、忘れてしまうのはメモと記憶の使い方の問題です。原因が違えば、対策も変わります。次の章で、原因ごとに整理していきます。

リスニングの点数が伸びない原因を整理する

勉強時間を増やしても点数が動かないときは、やり方のどこかにズレがあります。ここでは、よくある3つのつまずきを紹介します。自分に当てはまるものから見直してみてください。

知っている単語なのに聞き取れない

リーディングで読めば意味がわかる単語が、音声だと聞き取れないことがあります。理由はシンプルで、頭の中の発音が実際の音とズレているからです。

たとえば英語では、単語同士がつながって発音されます。「want to」が「ウォナ」のように聞こえるのは、その典型です。目で覚えた単語は、こうした音の変化まで含めて覚え直す必要があります。

対策は、音声を聞きながらスクリプトを確認する作業です。聞き取れなかった箇所に印をつけ、どんな音の変化が起きていたかを調べます。この積み重ねで、耳が少しずつ英語の音に慣れていきます。

先読みが間に合わない

共通テストでは、音声が始まる前に設問や選択肢を読む時間があります。ただし、その時間は短めです。じっくり読もうとすると、肝心の音声に入ってからも頭が選択肢に残ってしまいます。

コツは、全部を読もうとしないことです。選択肢の違いにだけ注目し、「数字が違う」「場所が違う」など、聞くべき観点を一言で決めます。

慣れるまでは、選択肢の違う部分に下線を引く練習が役に立ちます。下線を引いた箇所が、音声で確認するポイントです。1問ずつ時間を計って練習すると、読む速さも自然に上がります。

メモの取り方が決まっていない

後半の大問では、数字や順序などの情報が次々に出てきます。覚えようとすると、次の情報が入ってきません。そこで短いメモが力を発揮します。

メモは完全な文を書く必要はありません。「3pm」「→ 図書館」「× 土曜」のように、記号と単語だけで十分です。日本語でも英語でもかまいません。自分が一番速く書ける形を決めておきましょう。

ただ、書くことに気を取られて聞き逃しては本末転倒です。過去問で何度か試して、メモする項目を数字・場所・理由の3種類に絞ると、バランスが取りやすくなります。

今日から始められるリスニング勉強法

原因がわかったら、次は練習です。特別な教材がなくても、毎日の積み重ねで確実に力はつきます。ここでは、効果が高い練習法と、1日の進め方を紹介します。

ディクテーションとシャドーイング

基本になる練習は2つです。ディクテーションは、音声を聞いて英文を書き取る練習です。聞き取れない箇所が明確になるので、弱点の発見に向いています。

シャドーイングは、音声を聞きながら、少し遅れて同じ英語を声に出す練習です。英語の音とリズムが身につき、英語の語順で理解する力も育ちます。

おすすめの流れは、まず1回通して聞き、次にスクリプトを見て確認し、最後にシャドーイングで仕上げる形です。1回の素材は1〜2分程度で十分です。短い素材を繰り返すほうが、長い素材を一度やるより効果が出やすいです。

大問ごとの攻略ポイント

大問によって、有効な聞き方は変わります。

  • 第1問・第2問は、2回目の音声で答えを確認する
  • 第3問・第4問は、数字や固有名詞を中心にメモする
  • 第5問・第6問は、話の流れと話者の立場を意識する

前半は2回聞けるので、1回目で全体をつかみ、2回目で細部を確かめるのが基本です。後半は1回勝負なので、先読みで観点を決めておくことが重要になります。

第4問のグラフ問題は、数値の大小や変化の向きを問うことが多いです。選択肢のグラフに目を通しておけば、聞くべき言葉の見当がつきます。第5問のワークシートは、空欄の前後の言葉が聞き取りのヒントになります。

1日の学習スケジュール例

毎日の勉強は、短くても続けることが大切です。目安を表にまとめました。

時間帯内容目安時間
朝の通学中英語音声を聞き流さず、1文ずつ意識して聞く15分
夕方の自習過去問を1題解いて、間違いの原因を確認20分
夜の復習ディクテーションとシャドーイング15分

合計で約50分です。ポイントは、解きっぱなしにせず、必ずスクリプトで復習することです。解く量を増やすより、1題を深く復習するほうが力はつきます。部活や模試の日は、15分だけでも続けてください。

おすすめの教材・塾・サービスの選び方

独学でも伸ばせますが、教材やサービスをうまく使うと効率が上がります。ここでは具体的な名前を挙げながら、特徴を紹介します。自分の生活リズムに合うものを選ぶのが長続きのコツです。

スタディサプリで講義を受ける

リクルートが提供するスタディサプリは、スマホで講義動画を視聴できるサービスです。大学受験向けの英語講座があり、リスニングの考え方や解き方を動画で学べます。

塾に通う時間が取りにくい人でも、空いた時間に進められるのが強みです。動画を倍速で見られるので、復習もしやすくなります。部活で忙しい高校生や、地方で通える塾が少ない人にも向いています。

ただ、動画を見るだけで終わらないよう注意が必要です。見たあとに自分で音読やシャドーイングをして、はじめて力になります。視聴したら必ず声に出すという習慣をセットにしましょう。

東進・河合塾・駿台の特徴

予備校や塾を検討するなら、次の3つがよく選ばれています。

  • 東進ハイスクール 映像授業で自分のペースに合わせやすい
  • 河合塾 共通テスト対策の講座が充実し、模試も受けやすい
  • 駿台予備学校 論理的な解説に定評があり、難関大志望者に人気

どこにも一長一短があります。映像で自分のペースを守りたいなら東進、模試と講座の流れを重視するなら河合塾、解説をじっくり聞きたいなら駿台という選び方が目安です。

まずは体験授業や説明会に参加して、雰囲気や先生との相性を確かめてください。また、志望大学によって共通テストの英語の配点は異なります。東京大学や京都大学などの難関国立大では、点数の換算方法が独特なので、募集要項での確認が欠かせません。

公式過去問とNHKラジオの活用

教材選びで迷ったら、まず大学入試センターが公開している過去問を使いましょう。本番と同じ形式で、実際の音声を使って練習できます。直前期には、時間を計って通しで解く練習も効果的です。

もうひとつ、音声に慣れる素材としてNHKラジオ講座が役立ちます。「ラジオ英会話」などの講座は、ゆっくりした会話から始まり、無料の番組表やアプリで聞けます。毎日の習慣づくりにちょうどいい教材です。

過去問は、解いたあとの復習が欠かせません。間違えた問題は、スクリプトで原因を確認し、1週間後にもう一度解き直してください。同じ問題を2回目に解いて正解できるかが、定着の目安になります。

まとめ

共通テストのリスニングは、100点満点で配点が高く、対策の成果が出やすい分野です。後半の大問は1回しか聞けないため、先読みとメモの練習が点数を左右します。

聞き取れない原因は、発音のズレ、先読み不足、メモの取り方など人によって違います。まずは自分のつまずきを見つけ、ディクテーションとシャドーイングで少しずつ耳を育てましょう。

スタディサプリや東進、河合塾、駿台のようなサービスを使えば、学習の道筋もつけやすくなります。焦らず、毎日15分でも続けることが、本番での安定した得点につながります。

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