高校受験の英語に強い参考書の選び方と使い方|苦手でも続く学習プラン

高校受験の英語は、参考書選びでつまずく人がとても多い教科です。書店には似た本がずらりと並び、どれを買えばいいのか迷ってしまいます。この記事では、教育アドバイザーとして多くの中学生を見てきた経験から、レベル別の選び方と使い方をまとめました。英語を楽しみながら続けるコツも一緒に紹介します。

高校受験の英語参考書を選ぶ前に押さえたい基本

参考書を買いに行く前に、高校入試の英語がどんな力を見ているのかを整理しておきましょう。ここを知っておくと、書店で手に取る一冊がぐっと選びやすくなります。この章では、入試で問われる内容、ありがちな失敗、いまの実力を測る方法を順番にお話しします。

高校入試の英語で問われる力

公立高校の入試英語は、リスニング、語彙と文法、会話文、長文読解、英作文といった内容で構成されることが多く、配点では長文読解と英作文が大きな割合を占めます。東京都立高校の共通問題でも、会話文や長文を読んで答える問題が中心です。

ただし、長文が読めるかどうかは結局のところ単語と文法の土台で決まります。難しい長文対策から始めるより、中1から中3までの範囲を一通り固めるほうが近道です。また、自分の考えを英語で書く自由英作文を出題する地域も増えています。参考書は「いま何を伸ばしたいか」で選ぶと迷いません。

参考書選びで失敗しやすい3つのパターン

  • レベルが高すぎる一冊を買ってしまう
  • 気になる本を次々に買い足して、どれも終わらない
  • 解説が読みにくいまま、無理に進める

この3つは、相談を受けていて特に多いパターンです。難しい本は最初の数ページで手が止まり、そのまま机の奥にしまわれがちです。何冊も手を出すと、どの本も中途半端になって1冊を仕上げた経験が残りません。

購入前に、書店で最初の1単元を試しに読んでみてください。解説が自分の言葉で理解できて、練習問題の半分くらいが解けるなら、その本はいまの実力に合っています。わからない用語だらけだと感じたら、ひとつ前のレベルに戻るのが正解です。

いまの実力を知る簡単なチェック方法

実力を測るいちばん手軽な物差しは、学校の定期テストの点数です。直近の点数を目安に、最初の一冊を選んでみましょう。

定期テストの点数いまの状態最初に選ぶ教材
40点未満中1・中2の文法があいまい『中学英語をひとつひとつわかりやすく。』
40〜69点基礎はあるが応用問題で落とす学研のニューコースシリーズ
70点以上入試形式の演習に進める『全国高校入試問題正解』

表はあくまで目安です。点数が高くても、特定の単元だけ極端に苦手な場合は、その単元に戻って基本書で確認すると効率よく穴を埋められます。

レベル別に選ぶ高校受験の英語参考書

英語の参考書は、レベルに合わないものを選ぶと続きません。いまの実力より少しだけやさしい本から始めると、解ける喜びが積み重なって勉強が楽しくなります。ここでは、苦手な人、基礎が固まってきた人、難関校をめざす人の3つに分けて、おすすめの本と使い方を紹介します。

英語が苦手な人は中1の文法に戻る

英語が苦手な人は、中3の内容から始めようとせず、中1の文法に戻ることをおすすめします。定番は学研の『中学英語をひとつひとつわかりやすく。』です。左ページで解説、右ページで練習という構成で、be動詞、一般動詞、三単現のsといった単元を、イラストつきで順に確認できます。

1日15分、1単元ずつ進めれば、1か月ほどで中1の範囲が見えてきます。大切なのは、解説を読んで満足せず、練習問題を自分の手で書いて解くことです。間違えた問題には印をつけ、数日後にもう一度解き直すと記憶に残ります。ここで土台ができると、中2・中3の単元がつながって理解しやすくなります。

基礎が固まったら問題集で演習量を増やす

中1・中2の基本がわかってきたら、解説つきの問題集で演習量を増やす段階に入ります。学研のニューコースシリーズのように、単元ごとに基本から入試レベルまで並んだ本が使いやすいです。

現在完了、受け身、不定詞、関係代名詞といった中3の山場の単元は、解説を読んでから問題に進み、間違えた問題を間違い直しノートに写しておきましょう。同じ本を3周するほうが、新しい本を次々に買うより力がつきます。1周目はわからない問題に印、2周目は印の問題だけ、3周目は全問を解く流れが目安です。

難関校をめざす人は応用力と長文量を意識する

慶應義塾湘南藤沢高等部や筑波大学附属高校のような難関校をめざす場合は、長文の量が多く、英作文でも文法の正確さが問われます。基本の問題集を終えたら、旺文社の『中学総合的研究 英語』など解説が詳しい参考書で、文法のルールの理由まで確認すると応用が利くようになります。

あわせて、志望校の過去問と同じ形式の長文を、毎日1題ずつ読む習慣をつけましょう。時間を計り、読み終えたら辞書で調べた単語をカードに残しておくと、語彙も増えていきます。難しい本を何冊も抱えるより、レベルに合う本を最後までやり切るほうが結果につながります。

単語・文法・長文の参考書を使いこなすコツ

参考書は買っただけでは点数になりません。分野ごとに使い方を決めておくと、毎日の勉強が迷わず進みます。ここでは、単語、文法、長文とリスニングの3分野について、具体的な本と取り組み方、優先したい単元をお伝えします。

英単語は1日20語を音声つきで覚える

単語は英語の土台なので、毎日少しずつ続けるのがいちばんです。定番の旺文社『中学英単語ターゲット1800』は、中学で習う単語に加えて、高校入試によく出る語を例文つきで覚えられます。

1日20語を目標に、朝に新しい語、夜に復習と2回に分けると定着しやすくなります。音声を聞きながら声に出すと、リスニング対策にもつながります。覚えた語にチェックを入れ、1週間後にもう一度確認しましょう。単語帳は1冊を何周も回すのがコツで、2周目以降は知っている語を飛ばして時間を短くできます。

文法は入試に出やすい単元から固める

文法を全部まんべんなく完璧にしようとすると、時間が足りなくなります。まずは入試で繰り返し出てくる単元から固めましょう。

  • 現在完了(have + 過去分詞)
  • 関係代名詞と分詞の後置修飾
  • 不定詞と動名詞
  • 比較(-er、the most)
  • 接続詞(that、if、because)

これらの単元は、長文読解でも英作文でも顔を出すため、理解できると得点が安定します。1単元につき1週間を目安に、解説を読み、例文を音読し、問題を解くという順で進めてください。わからない単元に当たったら、中1・中2のどの文法につながっているかをさかのぼって確認すると、つまずきの原因が見つかります。

長文とリスニングは夏以降に本格化させる

長文は、文法の単元がひと通り終わった中3の夏ごろから本格的に始めます。最初は短めの長文を1日1題、音読までセットで行いましょう。意味のかたまりごとにスラッシュを入れて読む練習をすると、後ろから訳す癖が直ります。

リスニングは、NHKラジオの基礎英語シリーズを毎日10分聞くだけでも、英語の音に慣れてきます。秋以降は、旺文社の『全国高校入試問題正解』や志望県の過去問で本番形式に挑戦します。時間を測って解き、間違えた箇所を音読で復習することを習慣にしましょう。

塾やオンライン学習と組み合わせて英語を楽しく続ける方法

参考書だけで進める自信がない場合は、塾やオンライン学習を組み合わせるのも一つの方法です。大切なのは、続けられる形を選ぶことです。この章では、サービスの選び方、学年別の学習スケジュール、楽しく続けるための工夫を紹介します。

自分に合う塾やサービスの選び方

塾やサービスは、授業の形式で向き不向きが分かれます。代表的なものを表にまとめました。

名称形式向いている人
早稲田アカデミー集団授業仲間と競い合って難関校をめざしたい人
栄光ゼミナール集団・個別学校の進度に合わせて基礎から固めたい人
明光義塾個別指導苦手な単元をピンポイントで質問したい人
東進衛星予備校映像授業自分のペースで進めたい人
スタディサプリオンライン動画費用を抑えて復習や先取りをしたい人

どのサービスも、体験授業や無料の資料請求を用意していることが多いです。実際に雰囲気を確かめてから決めると、入塾後のミスマッチを減らせます。塾に通っていても、参考書で自習する時間は欠かせません。授業で習った内容を参考書で復習する流れをつくると、理解が深まります。

学年別の学習スケジュールの立て方

参考書は、時期ごとに役割を決めて使うと迷いません。中1から入試直前までの流れを表にしました。

時期中心になる学習教材の例
中1〜中2文法の基礎と単語『中学英語をひとつひとつわかりやすく。』、『中学英単語ターゲット1800』
中3の4〜7月文法の総仕上げ学研のニューコースシリーズ
中3の8〜10月長文と英作文『中学総合的研究 英語』、志望校の過去問
中3の11月〜入試過去問と弱点の復習『全国高校入試問題正解』、間違い直しノート

すでに中3の秋という人は、焦らず、いまの時期の行から逆算して足りない部分を補いましょう。直前期に新しい参考書へ手を広げるより、使い慣れた1冊を解き直すほうが得点につながりやすいです。

英語を楽しく続けるための小さな工夫

  • 好きな洋画や海外アニメを、英語音声と日本語字幕で週1本見る
  • 勉強した日はカレンダーにシールを貼る
  • 1冊終わるごとに、小さなごほうびを決めておく

受験勉強は長丁場なので、気持ちが続く仕組みづくりが大切です。映画やアニメで耳にした表現が、参考書の例文に出てくると「あ、聞いたことがある」と感じられ、英語がぐっと身近になります。シールやごほうびは、続けている実感を目に見える形にしてくれます。

参考書は、一冊を最後までやり切ってこそ力になります。今日は1単元、10分だけでも構いません。小さな積み重ねが、入試本番で「この問題は見たことがある」という自信になります。