長文読解の参考書の選び方|英語初心者〜中級者が挫折しにくい勉強法も解説

長文読解の参考書を選ぶ前に知っておきたい基本

「長文読解がなかなか伸びない」と悩む人は多いです。原因は、読む量が足りないことだけではありません。参考書の選び方が合っていないケースも意外と多くあります。この章では、参考書を手に取る前に知っておきたい基本を3つの視点でまとめました。自分に合う1冊が見つかると、英語を読む時間がぐっと楽しくなります。

長文読解は語彙・文法・読み方の3つで決まる

英文を読むために必要な力は、大きく3つに分けられます。1つ目は単語や熟語を知っていること。2つ目は文の形を見抜く文法力。3つ目は、段落ごとの流れをつかむ読み方のコツです。どれか1つが欠けると、辞書を引いても意味が頭に入ってきません。たとえば、単語は分かるのに文がつながらない人は、文法の土台が足りていないかもしれません。

反対に、文法は得意でも読むのが遅い人は、英文を読み慣れていないことが多いです。参考書を選ぶときは、解説が文の構造や段落の役割まで触れているかを確かめてみてください。3つの力を同時に鍛えやすくなります。

参考書を使うと独学でも読解力が伸びる理由

英文を読んで「なんとなく分かった」で終わると、力はつきにくいです。参考書には問題・解説・語注がセットになっているという強みがあります。解説で「なぜこの答えになるのか」を確認できるので、自分の読み方のクセに気づけます。また、レベルごとに文章が選ばれているため、少しだけ難しい英文に取り組みやすいのも魅力です。

簡単すぎても難しすぎても、読解力は伸びにくいからです。紙の本なら通勤時間や休み時間にも開けますし、書き込みも自由にできます。音声がついているシリーズなら、音読の練習にも使えます。独学で迷いやすい人ほど、道筋が決まっている参考書は頼れる存在になります。

初心者と中級者で選ぶ基準が変わるポイント

同じ長文読解の参考書でも、レベルによって見るべきところが変わります。選ぶときの目安を整理しました。

  • 初心者 英文が短く、全文訳と文法解説が丁寧な本を選ぶ
  • 中級者 語数が増え、設問の種類が多い本を選ぶ
  • どちらも共通 1日10〜20分で終わる分量の本を選ぶ

初心者の場合は、読めない原因を解説で確かめられることが大切です。中級者の場合は、時間を測って解く練習に向いた本が役立ちます。どちらのレベルでも、毎日続けられる分量かどうかが最後の決め手です。最初から分厚い本を選ぶと、数日で止まってしまうこともあります。「これなら続けられそう」と感じる1冊を選ぶことが、上達への近道です。

レベル別に選ぶ長文読解のおすすめ参考書

ここからは、書店でよく見かける具体的な参考書を紹介します。大学入試向けに作られた本が中心ですが、英語を学び直したい大人にも使いやすいシリーズばかりです。まずは今の自分の位置を確かめながら、読み進めてみてください。なお、版や内容は改訂されることがあります。購入の前に、書店や出版社のサイトで最新の情報を確認すると安心です。

初心者に向いた入門書から始める

英語の長文に苦手意識がある人は、短くて易しい文章から始めるのが一番です。『入門英語長文問題精講』(旺文社)は、基本的な文法を使った英文で、読む順序や考え方を学べます。『英語長文レベル別問題集1 超基礎編』(東進ブックス)は、全6段階のシリーズの最初の1冊です。同じシリーズで段階を上げていけるのが便利です。

『大学入試 英語長文ハイパートレーニング レベル1 超基礎編』(桐原書店)は、設問を解きながら英文の読み方の型を身につけたい人に向いています。この段階では、満点を目指さなくて大丈夫です。全文を読み切る経験を積むことを目標にしてください。

初級から中級へ進むための定番シリーズ

入門書を1冊終えたら、次は定番シリーズに進みます。『やっておきたい英語長文300』(河合出版)は、300・500・700・1000と語数の目安で段階が分かれています。自分に合った長さを選びやすいのが特長です。

『英語長文ポラリス1』(KADOKAWA)は、レベルごとに全3冊で構成され、解説で読み方の手順を示しているシリーズです。このあたりから、制限時間を決めて解く練習を始めると力がつきます。読むスピードが上がると、設問を考える余裕も生まれます。時間内に最後まで読むことを意識してみてください。

中級から上級を目指す人向けの一冊

ある程度読めるようになったら、より長く内容も硬い文章に挑戦します。『やっておきたい英語長文500』『同700』(河合出版)は、標準から発展レベルの入試問題を集めた本です。

『英語長文ポラリス3』(KADOKAWA)や『大学入試 英語長文ハイパートレーニング レベル3 難関編』(桐原書店)は、早稲田大学や慶應義塾大学のような難関私立大学を目指す人に向いています。ただし、背伸びしすぎは禁物です。7割ほど理解できるレベルの本が、もっとも力を伸ばせます。下の表で、各シリーズの位置づけを確認してください。

レベル書名出版社向いている人
入門入門英語長文問題精講旺文社長文が苦手で最初の1冊を探している人
入門英語長文レベル別問題集1 超基礎編東進ブックス段階を踏んで進めたい人
基礎やっておきたい英語長文300河合出版基本の文章を読み切れるようになりたい人
標準英語長文ポラリス2KADOKAWA読み方の手順を身につけたい人
発展やっておきたい英語長文700河合出版難関大学の長文に挑戦したい人

表の中でどれを選ぶか迷ったときは、書店で1題だけ読んでみるのがおすすめです。7割ほど意味が取れた本が、今の自分に合っています。

参考書の効果を高める長文読解の勉強法

良い参考書を選んでも、使い方が合っていないと力は伸びにくいです。反対に、使い方のコツを知っていれば、1冊からたくさんのことを吸収できます。この章では、今日から試せる3つの勉強法を紹介します。どれも特別な道具は要りません。机に向かう時間が短い人でも取り入れやすい方法ばかりです。

英語長文の勉強法を完全攻略|偏差値を20上げる実践的トレーニング法

1冊を3周する基本の進め方

長文読解の参考書は、何冊も手を出すより1冊を3周するほうが効果的です。進め方の例を挙げます。

  • 1周目 時間を測って解き、答え合わせをする
  • 2周目 解説を読み、分からなかった文の構造を確認する
  • 3周目 訳を見ずに英文を最後まで読み、音読する

1周目は、今の実力を知るための周です。点数に一喜一憂する必要はありません。2周目では、間違えた理由をノートに一言で書いておくと、同じミスを減らせます。3周目で英文がすらすら読めたら、その本は卒業です。1冊を使い切った自信は、次の本に進む大きな力になります。

語彙力と文法をセットで固める

長文が読めない最大の原因は、単語と文法の不足です。読解の参考書と並行して、単語帳と文法書も1冊ずつ決めておきましょう。単語帳では『システム英単語』(駿台文庫)や『英単語ターゲット1900』(旺文社)が定番です。文法書なら『Next Stage 英文法・語法問題』(桐原書店)がよく使われています。

大切なのは、長文で出会った単語を単語帳で確かめることです。文脈の中で覚えた単語は、単語帳だけで覚えたものより記憶に残りやすいです。1日5個でも続けると、1か月で150個になります。無理のない数を、毎日積み重ねてください。

音読とシャドーイングで読むスピードを上げる

読むのが遅い人には、音読がとても役立ちます。英語を頭の中で日本語に直さず、語順のまま理解する練習になるからです。やり方は簡単です。解説を読んで意味を理解した英文を、声に出して5回ほど読みます。慣れてきたら、音声を聞きながら少し遅れて真似するシャドーイングに挑戦してみましょう。

音声付きの参考書なら、そのまま教材として使えます。1回に長文1題を全部やる必要はありません。1段落だけでも効果があります。通勤中や散歩中に声を出せない日は、口を動かすだけの小声読みでも大丈夫です。続けるうちに、英文を前から読む感覚が育ちます。

入試や資格試験につなげる長文読解の学び方

参考書で身につけた力は、実際の試験で使ってこそ価値が高まります。大学入試だけでなく、英検やTOEICにも長文読解の力は直結します。この章では、目的別に参考書の次の一歩を紹介します。あわせて、塾や講座をうまく使う方法にも触れます。独学に行き詰まったときの選択肢として、頭に入れておくと安心です。

共通テストや大学入試の過去問につなげる

大学入試を目指す人は、参考書を終えたら過去問に進みます。まず共通テストの英語リーディングで、長い文章を時間内に読む練習をしましょう。志望校が決まっている人は、教学社の「赤本」で志望大学の問題に触れます。早稲田大学や慶應義塾大学のように、学部ごとに出題傾向が違う大学もあります。

文章のテーマにも傾向があり、環境問題、科学技術、教育、異文化理解などがよく扱われます。参考書の長文で出会ったテーマの単語は、本番でも役立ちます。気になるテーマは、日本語の新書や記事で背景を読んでおくと、英文の理解がさらに深まります。

英検やTOEICの長文パートで力を試す

大人の学び直しなら、資格試験を目標にすると続けやすいです。英検は、2級や準1級で長文の読解問題が大きな比重を占めます。旺文社の過去問集で、本番と同じ形式に慣れておきましょう。TOEIC Listening & Readingでは、Part 7が長文読解のパートです。

メールや記事、お知らせなど、実生活に近い文章が出ます。ETS公式の問題集で練習すると、問題の雰囲気がつかめます。入試向けの参考書で鍛えた読解力は、これらの試験でも通用します。目標の試験日を決めておくと、毎日の勉強に張り合いが生まれます。

塾や通信講座を取り入れて学習を続ける

独学が続かないときは、塾や講座を上手に使う方法があります。河合塾、駿台予備学校、東進ハイスクールなどでは、長文の読み方を講師が実演しながら教えてくれます。自分では気づけない読み方のクセを直してもらえるのが大きな利点です。通う時間が取れない人は、映像授業や通信講座も選べます。

ただし、授業を受けるだけで終わらないようにしましょう。授業で習った方法を、参考書の演習で実際に使ってこそ身につきます。そして、続けるコツは記録を残すことです。カレンダーに、解いた日に印をつけるだけで十分です。印が増えていく様子が、次の1題を解く気持ちを後押ししてくれます。