共通テスト リスニングはどんな試験?まず全体像をつかもう

共通テストのリスニングは、2021年から配点が大幅に変わり、今ではリーディングと同配点の100点満点で実施されています。 以前と比べて比重が高くなったぶん、対策を後回しにしてしまうと本番で大きく点数を落とすリスクがあります。 まずは試験の基本的な構造を理解して、どこから手をつければいいかを整理していきましょう。

共通テスト リスニングの配点と試験時間

共通テストのリスニングは、試験時間30分・100点満点で実施されます。 以前のセンター試験では筆記200点・リスニング50点という配分でしたが、現行の共通テストではリーディング100点・リスニング100点と同等になりました。

この変更は「実際のコミュニケーション能力を重視する」という学習指導要領の方向性と一致しています。 つまり、これからの大学受験では「読む力」だけでなく「聴く力」も同じくらい問われるということです。

項目センター試験(旧)共通テスト(現行)
リーディング配点200点100点
リスニング配点50点100点
試験時間(リスニング)約25分30分
音声の読み上げ回数一部2回第1問・第2問は2回、第3問以降は1回

特に注意したいのが、音声の読み上げ回数です。 第3問以降は音声が1回しか流れないため、聞き逃したら取り返せません。 この点を意識しながら練習を積んでいくことが、高得点への近道です。

出題形式と問題の種類

共通テストのリスニングは、第1問から第6問まで構成されています。 それぞれ形式が異なるため、どの問題で何が問われるのかを事前に把握しておくことが重要です。

  • 第1問・第2問:短い発話や会話を聞いて選択肢から答えを選ぶ(2回読み上げ)
  • 第3問:対話や発表を聞いて内容に合う選択肢を選ぶ(1回読み上げ)
  • 第4問:複数の情報をもとに判断する問題(1回読み上げ)
  • 第5問:講義形式の長めの英語を聞く問題(1回読み上げ)
  • 第6問:複数の話者による議論を聞く問題(1回読み上げ)

それぞれの問題で必要とされるスキルは少しずつ違います。 短い発話を素早く理解する力、長い文脈をまとめて把握する力など、複合的なリスニング能力が求められます。 問題ごとの特徴を理解したうえで、対策を進めていきましょう。

英語の音声スピードと難易度について

共通テストのリスニングで使われる英語は、ネイティブスピーカーの自然な会話に近いスピードで読み上げられます。 受験生のなかには「英語は読めるけど聞くと全然わからない」と感じる人が多いですが、これは「音と文字のつながり」が身についていないことが原因のひとつです。

たとえば「want to」が「ワナ」、「going to」が「ゴナ」と発音されるような音の変化(リダクション・リンキング)が英語には多くあります。 これらを知らないまま単語を一つずつ聞き取ろうとすると、実際の音声とのズレが生じてしまいます。 まずは「英語の音の仕組み」を学ぶことが、リスニング上達への第一歩です。


スコアが上がる勉強法|何から始めればいい?

リスニングが苦手な人にとって、どこから勉強すればいいかは悩みどころです。 「ひたすら英語を聴く」だけでは効果が出にくく、インプットとアウトプットを組み合わせた学習が効果的です。 ここでは、実際にスコアが伸びる具体的な勉強法を紹介します。

シャドーイングで「聴こえる耳」を育てる

シャドーイングとは、英語の音声を聴きながらその直後に声に出してまねる練習法です。 スピーキングの練習のように思われがちですが、実はリスニング力アップにもっとも効果的なトレーニングのひとつとされています。

理由は、口に出すことで音と意味を同時に処理する脳の回路が鍛えられるからです。 ただ聴くだけでは聞き流してしまいがちな音も、声に出すことで「ちゃんと聴こう」という集中力が自然と高まります。

最初は1文ずつゆっくりのスピードから始め、慣れてきたら自然な速さの音声に挑戦してみてください。 おすすめは、共通テストの過去問音声や、NHK Worldの英語ニュースを活用する方法です。 1日10分でも毎日続けることが、聴こえる耳をつくる最短ルートです。

ディクテーションで聞き取れない音を発見する

ディクテーションとは、英語の音声を聴いて聴こえた内容を紙に書き取る練習です。 「なんとなく聞いてわかった気になる」を防ぎ、どこが聴き取れていないかを客観的に確認できるのが最大のメリットです。

書き取った文章とスクリプトを見比べることで、自分が苦手な発音・単語・文法パターンが明確になります。 特に共通テストの過去問を使ったディクテーションは、本番形式に近い環境で弱点を把握できるので非常におすすめです。

最初はうまく書けなくて当然です。「書けなかった部分をスクリプトで確認して音を覚えなおす」というサイクルを繰り返すことで、確実に力がついていきます。

過去問を使ったリスニング演習の進め方

共通テストのリスニング対策には、本番形式の過去問演習が欠かせません。 ただし、ただ解いて答え合わせをするだけでは効果が半減してしまいます。 次のステップを意識して演習に取り組みましょう。

  • まず本番と同じ条件(時間・音量)で通しで解く
  • 採点後、間違えた問題のスクリプトを確認する
  • スクリプトを見ながら音声を再度聴き、どこで聴き取れなかったかを特定する
  • 聴き取れなかった箇所をシャドーイング・ディクテーションで補強する

この「解く→分析→補強」という流れを繰り返すことが、リスニングスコアを着実に伸ばすコツです。 過去問は大学入試センターの公式サイトや市販の赤本・共通テスト対策問題集から入手できます。 最低でも直近3年分は本番形式で解いておくようにしましょう。


共通テスト リスニングにおすすめの教材・参考書

本屋に行くと共通テスト対策の参考書がずらりと並んでいて、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。 ここでは、目的別に実際に使えるおすすめ教材を紹介します。 自分のレベルや弱点に合わせて選んでみてください。

基礎固めに使いたい参考書

リスニングに苦手意識がある人には、音の仕組みや英語のリズムを学べる参考書から始めることをおすすめします。 文法知識はあるのに聴くと理解できない、という人はここから入ると効果的です。

  • 『英語の耳を作る!リスニング強化大作戦』(音読・シャドーイング系):音の変化に特化した教材で、CDを使いながら繰り返し練習できる
  • 『大学入学共通テスト 英語リスニング 集中講義』(旺文社):共通テスト形式に特化しており、問題の解き方のコツも丁寧に解説されている
  • 『きみの英語、間違えだらけ?リスニング入門』:初心者が英語の音の仕組みを楽しく学べる内容で、難易度が低めでとっつきやすい

どれも「音声付き」の教材を選ぶことが大切です。 参考書を読むだけで終わらせず、必ず音声を聴きながら学習を進めるようにしましょう。

実践力をつけるための問題集

基礎が固まってきたら、実際の試験形式に近い問題集で演習量を増やしていきます。 本番と同じ問題形式・音声スピードに慣れることが、試験直前期の最優先事項です。

  • 『共通テスト過去問研究 英語リスニング』(教学社 赤本):実際の過去問をそのまま収録しており、本番に一番近い練習ができる
  • 『共通テスト対策問題集 英語リスニング』(駿台文庫):駿台の講師陣が作成した予想問題で、難易度が本番に近く高い実践力が身につく
  • 『共通テスト英語リスニング満点のコツ』(教英出版):問題の解き方に特化しており、テクニック面を効率よく学べる

問題集は1冊を完璧にやり切ることが重要です。 複数の問題集に手を出すよりも、1冊を繰り返し解いて完全に理解するほうがスコアアップには効果的です。

アプリ・オンラインツールの活用法

参考書や問題集と並行して、スマートフォンのアプリやオンラインツールを活用するのもおすすめです。 通学時間や休憩時間など、スキマ時間を有効に使えるのが最大のメリットです。

ツール名特徴おすすめの使い方
NHK World(無料)英語ニュースを英語字幕付きで視聴できる毎日のシャドーイング素材として
ELSA SpeakAIが発音を評価してくれる英語発音練習アプリ発音の改善と音の認識力アップに
Duolingo(無料あり)ゲーム感覚で英語を学べるアプリリスニングの基礎習慣づくりに
英語学習 Speak(スピーク)AIとの会話練習ができるスピードへの慣れとアウトプット練習に

アプリはあくまでも補助的なツールとして活用するのが正解です。 メインの学習は参考書・問題集で行いながら、アプリで耳を慣らすルーティンを毎日の習慣にしていきましょう。


塾・予備校のリスニング講座はどこを選ぶ?

独学に限界を感じている場合は、塾や予備校のリスニング専門講座を活用するのも一つの選択肢です。 プロの講師から学ぶことで、独学では気づきにくい自分の弱点をピンポイントで改善できます。

大手予備校のリスニング対策講座

全国展開している大手予備校では、共通テスト対策としてリスニング専用の授業や映像講座が用意されています。

  • 河合塾:「共通テスト対策リスニング」講座が全国の校舎で受講可能。問題の解き方とリスニング力を同時に鍛えるカリキュラムが特徴
  • 駿台予備学校:英語科の講師が音の変化・発音・文脈把握を体系的に指導。授業後の自習でも音声教材が使える環境が整っている
  • 東進ハイスクール:映像授業で有名な大岩秀樹先生や安河内哲也先生のリスニング講座が人気。自分のペースで受講できる点が魅力

どの予備校も無料体験や説明会を行っているので、まず1〜2校試してみることをおすすめします。 講師との相性や学習環境も選ぶ際の重要なポイントです。

オンライン塾・映像授業の活用

地方在住の受験生や、通塾の時間が取れない社会人の学び直しには、オンライン塾や映像授業が非常に便利です。

  • スタディサプリ(リクルート):月額2,000円台から利用でき、共通テスト対策の英語・リスニング講座が充実している。関先生の授業が特に評判
  • ただよび:YouTubeで無料公開されている受験対策授業。英語の発音や文法の基礎から学べる
  • atama+(アタマプラス):AIが弱点を自動判定し、個別最適化されたカリキュラムで学習できる。全国の塾で導入されている

オンライン授業のメリットは、繰り返し視聴できる点と自分のペースで進められる点です。 わからない部分を何度でも見直せるので、リスニングの苦手克服にとても向いています。

英会話スクールのリスニング活用法

試験対策というよりも「本物の英語に慣れる」という意味で、英会話スクールを並行して利用するのも有効です。 特にオンライン英会話は費用も比較的安く、気軽に始められます。

たとえばQQEnglishやネイティブキャンプでは、1回25分〜のレッスンが1,000円以下から受講できます。 ネイティブスピーカーとのリアルな会話は、試験用の音声とは異なる「生きた英語」を聴く経験になります。 毎週1〜2回のオンライン英会話を継続することで、実際のスピードの英語に対する免疫がついていきます。


本番直前にやること|試験前日・当日の過ごし方

試験が近づいてきたら、新しい知識を詰め込むより、これまで練習してきたことを確認することに集中しましょう。 焦って詰め込み型の学習をしても、本番でのパフォーマンスは上がりません。 前日・当日の過ごし方を整えることが、実力を最大限発揮するための準備です。

前日は「軽い確認」にとどめる

試験前日は、長時間の勉強よりもこれまで学習した内容を軽く見直す程度にとどめることをおすすめします。 過度に勉強して疲れを持ち込んでしまうと、翌日の集中力が下がってしまいます。

  • 過去問の音声を1〜2題だけ聴き直して耳を慣らす
  • よく間違えた問題のスクリプトをさらっと確認する
  • 試験会場・持ち物・起床時間を確認して早めに就寝する

睡眠不足は集中力や反応速度を大幅に低下させます。 前日は7〜8時間の睡眠をしっかり確保することが、何よりも大切な試験前日の過ごし方です。

当日の試験直前にやること

試験当日、リスニング開始前には「耳のウォームアップ」として英語の音声を少し聴いておくのがおすすめです。 急に英語を聴き始めると、脳が切り替わるまでに時間がかかることがあります。

スマートフォンに保存した英語音源や、使い慣れた教材の音声を会場に向かう途中に聴いておくと、試験開始時から英語モードで集中できる状態を作りやすくなります。 ただし、試験直前に「むずかしい音声」を聴いて自信をなくすのは逆効果です。 自分が得意な音声・聴き慣れた素材を使うことがポイントです。

本番中の時間の使い方・問題の読み方

共通テストのリスニングは選択肢を先読みするかどうかが得点を左右する重要なポイントです。 音声が流れる前の短い時間に選択肢に目を通しておくことで、「何について聴けばいいか」の見当がつきます。

特に第4問・第5問・第6問は情報量が多いため、選択肢のキーワードだけをサッと確認してからメモを取りながら聴くスタイルが効果的です。 メモは走り書き程度で大丈夫。「数字・人名・場所・比較表現」などに注目して聴くクセをつけておきましょう。


よくある失敗パターンと対処法

リスニング対策でつまずく原因は、意外と共通しています。 「やったつもりなのに点数が伸びない」という状況には、必ず原因があります。 ここでは、よくある失敗とその具体的な対処法を整理しました。

「ただ聴くだけ」になってしまっている

英語の音声を毎日聴いているのに一向に力がつかない、という場合の多くは「受け身のリスニング」になってしまっているケースです。 音楽のように英語を流し聴きしているだけでは、脳が英語を「意味のある情報」として処理しません。

対処法は、「目的意識を持って聴くこと」です。 「今日はこの会話のどんな情報を聴き取るか」を決めてから再生する、という小さな工夫だけで集中度が大きく変わります。 意識的に「内容を理解しようとする姿勢」を持ちながら聴くことが、上達の鍵です。

語彙・文法の知識が不足している

リスニングが伸び悩む原因のもうひとつは、単語や文法の知識不足です。 知らない単語は聴こえても意味がわからないため、会話全体の理解が止まってしまいます。

英語のリスニングは「聴く力」と「英語力」が両輪で成立します。 共通テスト頻出の語彙を覚えるには、『システム英単語Basic』や『ターゲット1400』のような単語帳を活用して、 最低でも1400〜1800語レベルの語彙を定着させることが必要です。 語彙と並行してリスニング練習を進めることで、スコアが劇的に伸びるケースは多くあります。

模試や過去問をやりっぱなしにしている

問題を解いて答え合わせをしてそれで終わり、という「解きっぱなし学習」は、残念ながら効果がほとんどありません。 点数が合っていても間違っていても、「なぜその答えなのか」を必ず確認する習慣をつけることが大切です。

特に間違えた問題は、スクリプトを見ながら音声を再度確認し、「どの音が聴き取れなかったのか」「どの単語がわからなかったのか」をノートに記録しておきましょう。 この記録こそが、自分だけの弱点データになります。 それを繰り返すことが、着実な得点アップへの最も確実な道です。


共通テスト リスニング対策を長く続けるためのコツ

リスニングの力は、一夜漬けでつくものではありません。 だからこそ、無理なく続けられる学習習慣をつくることが最終的な合否を分けます。 長続きさせるためのちょっとしたコツをお伝えします。

好きなコンテンツで「聴く習慣」をつくる

毎日英語の勉強が続かない、という場合は「好きなジャンルの英語コンテンツ」を取り入れることをおすすめします。 たとえば、好きなスポーツ・料理・旅行などのテーマの英語ポッドキャストやYouTubeを習慣的に視聴するだけで、 「英語を聴くこと」が日常の一部になっていきます。

字幕なしで理解できなくても構いません。 最初は英語字幕付きで視聴し、慣れてきたら字幕なしにチャレンジするというステップアップが効果的です。 楽しみながら続けられる環境を整えることが、長期的なリスニング力向上につながります。

スモールゴールを設定してモチベーションを維持する

「1ヶ月後に模試で80点取る」など、大きな目標だけを掲げると途中で挫折しやすくなります。 毎日・毎週の小さな達成目標を設定することで、継続しやすい学習リズムが生まれます。

  • 今週は毎日シャドーイングを5分やる
  • 今月は過去問を3回分解く
  • 今週の模試で前回より5点アップを目指す

このように「達成可能な小目標の積み重ね」が、自信とモチベーションを同時に育てます。 勉強の記録をノートやアプリにつけておくと、自分の成長が見えてさらに続きやすくなります。

学習仲間をつくる・コミュニティに参加する

一人で勉強を続けることに孤独感を感じているなら、同じ目標を持つ仲間を見つけることも大切です。 SNSやオンラインの学習コミュニティを活用すれば、全国の受験生・学習者とつながることができます。

たとえばTwitter(X)やInstagramには、#英語学習 #共通テストといったハッシュタグで学習記録を発信している受験生が多数います。 お互いの進捗を確認し合ったり、おすすめ教材を共有したりすることで、学習のモチベーションが継続しやすくなります。 一人では続かない場合こそ、環境と仲間の力を積極的に借りてみましょう。

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