英語の受け身(受動態)を完全マスター!基本から応用まで分かりやすく解説

英語学習において多くの人が苦手意識を持つ「受け身(受動態)」。文法書を読んでも複雑に感じたり、実際の会話で使えなかったりする方も多いのではないでしょうか。

受け身は英語の重要な文法要素の一つであり、日常会話からビジネス英語まで幅広く使われています。この記事では、英語の受け身について基本から応用まで段階的に解説し、確実にマスターできるよくある間違いとして、自動詞を受動態にしようとするケースがあります。

❌ 間違い: I was happened an accident.
⭕ 正しい: An accident happened to me.
(私に事故が起こった)

自動詞の例には以下のようなものがあります。

  • happen(起こる)
  • occur(生じる)
  • exist(存在する)
  • arrive(到着する)
  • die(死ぬ)
  • sleep(眠る)

これらの動詞は目的語を取らないため、受動態にすることができません。

他動詞と自動詞の区別が難しい場合は、その動詞が目的語を必要とするかどうかを確認しましょう。

他動詞の例:

  • make(作る)→ 受動態可能
  • send(送る)→ 受動態可能
  • build(建てる)→ 受動態可能

句動詞の場合は特に注意が必要です。一部の句動詞は他動詞的に働き、受動態が可能です。

  • look after(世話をする)→ 受動態可能
  • take care of(世話をする)→ 受動態可能
  • look at(見る)→ 受動態可能

辞書で動詞を調べる際は、自動詞(vi.)か他動詞(vt.)かを確認する習慣をつけることで、このような間違いを避けることができます。

自動詞と他動詞の区別を正確に理解することで、適切な受動態の使用が可能になり、より自然な英語表現ができるようになります。

受け身を使った実践的な表現と例文

受け身表現は日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使用されています。実際の場面でよく使われる表現パターンを理解し、練習することで、自然な英語コミュニケーションが可能になります。ここでは、場面別の実用的な受け身表現を豊富な例文とともに紹介します。

日常会話でよく使われる受け身表現

日常生活では、身の回りの出来事や状況を表現するために受け身がよく使われます。

食事や料理に関する表現では、食材の調理法や料理の特徴を述べる際に受動態が頻繁に使用されます。

  • This bread is baked fresh every morning.(このパンは毎朝焼きたてです)
  • The vegetables are grown locally.(野菜は地元で栽培されています)
  • This dish is served with rice.(この料理はライスと一緒に提供されます)
  • The coffee beans are imported from Brazil.(コーヒー豆はブラジルから輸入されています)

買い物や製品について話す際も受動態が便利です。

  • These shoes are made in Italy.(この靴はイタリア製です)
  • The store is closed on Sundays.(店は日曜日に閉まっています)
  • This product is recommended by doctors.(この製品は医師に推奨されています)
  • The price has been reduced by 20%.(価格は20%下げられました)

家庭や住環境の話題でも受け身表現が多用されます。

  • The house was built in 1985.(家は1985年に建てられました)
  • The garden is watered twice a week.(庭は週に2回水やりされます)
  • The windows are cleaned monthly.(窓は月に一度清掃されます)
  • The heating is controlled automatically.(暖房は自動的に制御されています)

これらの表現は日常会話で自然に使えるようになると、より流暢な英語コミュニケーションが可能になります。

ビジネスシーンでの受け身表現

ビジネス英語では、受動態がフォーマルで客観的な表現として好まれます。

会議や報告に関する表現では、プロフェッショナルな印象を与えるために受動態が効果的です。

  • The meeting has been scheduled for next Tuesday.(会議は来週火曜日に予定されています)
  • The proposal will be reviewed by the board.(提案は取締役会で検討される予定です)
  • The deadline has been extended until Friday.(締切は金曜日まで延長されました)
  • The contract was signed yesterday.(契約は昨日署名されました)

プロジェクト管理では、進捗状況や完了状態を報告する際に受動態が重宝されます。

  • The project has been completed successfully.(プロジェクトは成功裏に完了しました)
  • The budget is being reviewed quarterly.(予算は四半期ごとに見直されています)
  • New software will be installed next month.(新しいソフトウェアが来月インストールされます)
  • The report was submitted on time.(レポートは期限内に提出されました)

人事や組織に関する発表でも受動態が多用されます。

  • John has been promoted to manager.(ジョンはマネージャーに昇進しました)
  • The new policy will be implemented starting Monday.(新しい方針が月曜日から実施されます)
  • Training sessions are held monthly.(研修は月に一度開催されています)
  • The department is being reorganized.(部署は再編成されています)

ビジネスシーンでの受動態使用により、責任の所在を曖昧にしたり、より丁寧で客観的な表現ができるようになります。

学術・研究分野での受け身表現

学術論文や研究発表では、客観性と正確性を重視するため受動態が標準的に使用されます。

研究手法や実験過程を記述する際の典型的な表現パターンがあります。

  • The experiment was conducted over six months.(実験は6ヶ月間にわたって実施されました)
  • Data were collected from 200 participants.(データは200人の参加者から収集されました)
  • The results are presented in Table 1.(結果は表1に示されています)
  • The hypothesis was tested using statistical analysis.(仮説は統計分析を用いて検証されました)

発見や結論を述べる際も受動態が効果的です。

  • It was found that temperature affects the reaction rate.(温度が反応速度に影響することが判明しました)
  • The correlation was observed between the two variables.(2つの変数間に相関関係が観察されました)
  • The theory has been supported by recent studies.(その理論は最近の研究によって支持されています)
  • New evidence was discovered in the archaeological site.(考古学的遺跡で新たな証拠が発見されました)

先行研究や引用に関する表現でも受動態が重要です。

  • This method was first developed by Smith (2010).(この手法は最初にSmith(2010)によって開発されました)
  • The concept has been widely accepted in the field.(この概念は分野で広く受け入れられています)
  • Similar results were reported in previous studies.(同様の結果が以前の研究で報告されています)
  • The model has been modified for this research.(モデルはこの研究のために修正されました)

学術分野での受動態習得により、より専門的で信頼性のある文章作成が可能になります。

ニュースや報道での受け身表現

ニュース英語では、客観的な報道と事実の伝達のために受動態が頻繁に使用されます。

事件や事故の報道では、動作主よりも出来事自体に焦点を当てるため受動態が効果的です。

  • A new law was passed by the parliament yesterday.(昨日国会で新しい法律が可決されました)
  • The building was damaged in the earthquake.(建物は地震で損傷を受けました)
  • Three people were arrested in connection with the robbery.(強盗事件に関連して3人が逮捕されました)
  • The road has been closed due to flooding.(洪水のため道路は閉鎖されています)

政治や経済のニュースでも受動態が多用されます。

  • Interest rates were raised by 0.5%.(金利は0.5%引き上げられました)
  • The treaty was signed by both countries.(条約は両国によって署名されました)
  • Tax reforms are being discussed in the congress.(税制改革が議会で議論されています)
  • The election results will be announced tonight.(選挙結果は今夜発表される予定です)

スポーツや文化のニュースでも受動態表現が見られます。

  • The game was won by a single goal.(試合は1点差で勝利されました)
  • The concert has been postponed until next week.(コンサートは来週まで延期されました)
  • The award was presented to the young actress.(賞は若い女優に授与されました)
  • The museum will be reopened after renovation.(博物館は改装後に再開される予定です)

ニュース英語の受動態パターンを理解することで、英語での情報収集能力が向上し、国際的な視野を広げることができます。

受け身をマスターするための効果的な学習方法

受け身表現を確実にマスターするためには、系統的で継続的な学習アプローチが重要です。理論的な理解だけでなく、実践的な練習と応用を通じて、自然に受動態を使えるレベルまで到達する必要があります。ここでは、効果的な学習方法と実践的なトレーニング法を詳しく解説します。

段階的な練習方法とトレーニング

基礎固め段階では、受動態の基本構造を確実に理解することから始めます。

まず、be動詞 + 過去分詞の基本パターンを、簡単な動詞を使って練習しましょう。

練習手順は以下の通りです。

  1. 規則動詞での基本練習(make → made, clean → cleaned など)
  2. 不規則動詞での応用練習(write → written, break → broken など)
  3. 時制変化の練習(現在形 → 過去形 → 未来形)
  4. 否定文・疑問文への変換練習

変換練習は受動態習得の核となる訓練です。能動態から受動態への変換を繰り返し行うことで、文構造の理解が深まります。

練習例:

  • 能動態: The teacher explains the lesson.
  • 受動態: The lesson is explained by the teacher.

音読練習も非常に効果的です。受動態の文章を声に出して読むことで、語順やリズムが自然に身につきます。

段階的に難易度を上げていくことで、確実なスキル定着が図れます。基礎ができてから応用に進むことで、混乱を避けながら効率的に学習できます。

よく使われる受け身表現の暗記法

頻出表現の暗記は、実用的な受動態スキル習得の近道です。

日常会話でよく使われる受動態表現をカテゴリー別に整理して覚えましょう。

基本的な表現リスト

カテゴリー表現例意味
製造・生産made in Japan日本製
言語spoken in many countries多くの国で話されている
時間built in 19901990年に建てられた
状態known for quality品質で知られている
場所located in the center中心部に位置している

これらの表現は文章として覚えることで、単語の組み合わせや語順も同時に習得できます。

語呂合わせや関連付けを活用することで、記憶の定着率が向上します。例えば、「be known for」(〜で知られている)は「ビー・ノウン・フォー」として音で覚え、有名な事例と関連付けて記憶します。

反復学習スケジュールを設定し、定期的に復習することで長期記憶に定着させることができます。

実践的な練習問題と解答のコツ

変換問題では、能動態と受動態の相互変換を練習します。

練習問題例:
問題: Someone stole my bicycle yesterday.
解答: My bicycle was stolen yesterday.

解答のコツ

  1. 目的語を新しい主語にする
  2. 動詞の時制を確認してbe動詞を選択
  3. 過去分詞の形を正確に作る
  4. by句の必要性を判断する

穴埋め問題では、適切なbe動詞や過去分詞を選択する練習をします。

問題: The letter _ _ by John yesterday.
選択肢: a) is written b) was written c) has written
解答: b) was written

解答のコツ

  1. 時制の手がかり語(yesterday, tomorrow, already など)を確認
  2. 主語の単数・複数を判断
  3. 文脈から適切な時制を選択

並び替え問題では、語順の理解を深めます。

問題: [built / was / 1990 / in / house / the]
解答: The house was built in 1990.

解答のコツ

  1. 主語を最初に置く
  2. be動詞を主語の後に配置
  3. 過去分詞を続ける
  4. 修飾語句を適切な位置に置く

練習問題を継続的に解くことで、受動態の感覚が自然に身につきます。

おすすめの学習教材と参考書

文法書では、受動態の詳細な解説と豊富な例文が掲載されているものを選びましょう。

初級者向けには、基本的な構造から段階的に学べる教材が適しています。視覚的な図解や表が多用されている本は理解しやすくおすすめです。

中級者以上には、より複雑な受動態表現や応用的な使い方を扱った教材が効果的です。

練習問題集は、豊富な問題量と詳しい解説があるものを選択しましょう。

問題のレベルが段階的に上がっているものや、ジャンル別に分類されているものが学習しやすいでしょう。解答だけでなく、なぜその答えになるのかの説明があるものが理解を深めます。

オンライン教材も効果的な学習手段です。

インタラクティブな練習問題や音声付きの例文は、従来の紙ベースの教材では得られない学習体験を提供します。

即座にフィードバックが得られるため、間違いをすぐに修正できる利点があります。

映画や英語ニュースでの実践的な学習も重要です。

実際に使われている受動態表現を聞くことで、自然な使い方を学べます。字幕付きで視聴し、受動態が使われている場面をメモすることで効果的な学習ができます。

複数の教材を組み合わせることで、理論と実践の両面から受動態をマスターできます。自分の学習スタイルや レベルに合った教材を選択し、継続的に学習することが成功の鍵となります。


まとめ

英語の受け身(受動態)は、最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本的な構造と使い方を理解すれば確実にマスターできる文法項目です。

be動詞 + 過去分詞という基本形から始まり、様々な時制での応用、実践的な表現まで段階的に学習することで、自然な英語コミュニケーションが可能になります。

受動態の習得により、より豊かで正確な英語表現ができるようになり、読解力や聞き取り能力も向上します。

日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使われる受け身表現を身につけることで、英語学習の大きな前進となることは間違いありません。

継続的な練習と実践を通じて、ぜひ受動態を完全にマスターしてください。う丁寧にサポートします。

初心者の方でも理解しやすいよう、豊富な例文と図表を用いて説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。

英語の受け身(受動態)とは何か

受け身(受動態)は、動作を受ける側に焦点を当てた表現方法です。能動態が「誰が何をした」を表すのに対し、受動態は「何が誰によってされた」を表現します。英語学習における受け身の理解は、より自然で豊かな表現力を身につけるために欠かせません。

能動態と受動態の基本的な違い

能動態受動態の違いを理解することが、受け身をマスターする第一歩です。

能動態では動作をする人(主語)が文の中心となりますが、受動態では動作を受ける対象(目的語)が主語の位置に移動します。

例文で比較してみましょう。

能動態: Tom writes a letter.(トムが手紙を書く)
受動態: A letter is written by Tom.(手紙がトムによって書かれる)

この変化により、文の焦点が「誰が行ったか」から「何がされたか」に移ります。受動態を使う理由として、動作をする人が不明な場合や、動作そのものに注目したい場合があります。

日本語でも「手紙が書かれる」という表現があるように、受け身の概念自体は理解しやすいものです。英語の受動態も同様の考え方で、動作を受ける側を主語にして表現する文法構造なのです。

受け身を使う場面と目的

受け身表現は様々な場面で使われ、それぞれ明確な目的があります。

動作主が不明または重要でない場合に受け身を使います。例えば「My bike was stolen.(私の自転車が盗まれた)」では、誰が盗んだかは分からないか重要ではありません。

動作や結果に焦点を当てたい場合も受け身の出番です。「This building was built in 1900.(この建物は1900年に建てられた)」では、建物自体とその建設年に注目しています。

より丁寧な表現をしたい場合にも受け身が効果的です。「Mistakes were made.(間違いがあった)」は「I made mistakes.(私が間違いをした)」よりも控えめな印象を与えます。

これらの使い分けを理解することで、場面に応じた適切な英語表現ができるようになります。受け身は単なる文法ルールではなく、コミュニケーションをより効果的にするツールなのです。

日本語の受け身との共通点と相違点

日本語と英語の受け身表現には共通点もありますが、重要な違いも存在します。

共通点として、両言語とも動作を受ける側を主語にする点が挙げられます。「本が読まれる」「The book is read」のように、基本的な構造は似ています。

しかし、使用頻度に大きな違いがあります。英語では受動態がより頻繁に使われ、特に学術的な文章やニュース、ビジネス文書では能動態と同じくらい一般的です。

表現の幅も異なります。日本語の受け身は感情的な被害を表すことが多い(「雨に降られた」など)のに対し、英語の受動態はより中性的で事実を述べる際によく使われます。

文法構造の違いも重要です。英語では「be動詞 + 過去分詞」という明確な形があり、時制変化もbe動詞の変化で表現されます。この規則性を理解すれば、様々な時制での受動態を作ることができます。

これらの違いを意識することで、英語らしい自然な受け身表現が身につきます。

受け身が重要な理由

英語学習において受け身をマスターすることは、表現力の向上に直結します。

受け身を使えることで、同じ内容でも異なる視点から表現できるようになります。これは英語でのコミュニケーションにおいて非常に重要なスキルです。

学術英語ビジネス英語では受動態が頻繁に使われるため、これらの分野での英語力向上には欠かせません。「The project was completed ahead of schedule.(プロジェクトは予定より早く完了した)」のような表現は、ビジネスシーンでよく使われます。

TOEIC英検などの資格試験でも、受動態の理解は重要な要素となります。読解問題では受動態の文章が多く出題され、文法問題でも頻出事項です。

さらに、受け身を理解することで英語の文章構造全体への理解が深まります。主語と動詞の関係、時制の表現方法など、英語の基本的な仕組みをより深く理解できるようになります。

このように、受け身の習得は単独の文法項目を学ぶ以上の価値があり、総合的な英語力向上に大きく貢献するのです。

受け身の基本的な作り方と文法ルール

受け身の基本構造を理解することは、正確な受動態を作るための土台となります。ここでは、受け身の基本的な作り方から、否定文や疑問文の作り方まで、段階的に解説していきます。一度基本パターンを覚えてしまえば、応用も容易になります。

be動詞 + 過去分詞の基本構造

受け身の基本形は「be動詞 + 過去分詞」です。この構造を確実に理解することが、受動態マスターの第一歩となります。

be動詞は主語と時制に合わせて変化します。現在形では「am/is/are」、過去形では「was/were」を使用します。

過去分詞は動詞の第3変化形で、規則動詞では「-ed」を付けた形、不規則動詞では独特の形を取ります。

基本的な例文を見てみましょう。

  • English is spoken in many countries.(英語は多くの国で話されている)
  • The letter was written yesterday.(その手紙は昨日書かれた)
  • The windows are cleaned every week.(窓は毎週清掃される)

注意点として、be動詞の時制が文全体の時制を決定することを覚えておきましょう。過去分詞自体は時制を表さず、動作の完了や状態を示します。

また、主語が単数か複数かによってbe動詞の形が変わることも重要です。「The book is read」(単数)と「The books are read」(複数)のように、主語に応じて適切なbe動詞を選択する必要があります。

能動態から受動態への変換方法

能動態を受動態に変換する際のステップを覚えることで、確実に正しい受け身文を作れるようになります。

ステップ1: 能動態の目的語を受動態の主語にする
ステップ2: 動詞をbe動詞 + 過去分詞に変える
ステップ3: 能動態の主語を「by + 目的格」で表す(省略可能)

具体例で変換過程を見てみましょう。

能動態: The teacher explains the lesson.

  • 主語: The teacher
  • 動詞: explains
  • 目的語: the lesson

受動態: The lesson is explained by the teacher.

  • 主語: the lesson(元の目的語)
  • 動詞: is explained(be動詞 + 過去分詞)
  • by句: by the teacher(元の主語)

この変換方法を練習することで、自然に受動態を作れるようになります。時制の一致も重要で、能動態が現在形なら受動態のbe動詞も現在形、過去形なら過去形にします。

動作主(by句)は状況に応じて省略できます。一般的な事実や動作主が明らかな場合は、by句を省略してすっきりとした文にすることが多いです。

否定文と疑問文の作り方

受動態の否定文は、be動詞に「not」を付けることで作成します。

基本パターンは「主語 + be動詞 + not + 過去分詞」です。

  • The report is not finished yet.(レポートはまだ完成していない)
  • The meeting was not canceled.(会議はキャンセルされなかった)
  • These books are not sold in Japan.(これらの本は日本では販売されていない)

疑問文は、be動詞を主語の前に移動させることで作ります。

基本パターンは「be動詞 + 主語 + 過去分詞…?」です。

  • Is the homework finished?(宿題は終わっていますか?)
  • Was the letter sent yesterday?(手紙は昨日送られましたか?)
  • Are these products made in Japan?(これらの製品は日本製ですか?)

疑問詞を使った疑問文も重要です。「What」「When」「Where」「How」などの疑問詞を文頭に置き、その後に通常の疑問文の語順を続けます。

  • When was this building built?(この建物はいつ建てられましたか?)
  • Where are these cars made?(これらの車はどこで製造されていますか?)

否定疑問文も可能で、「Isn’t/Wasn’t/Aren’t/Weren’t + 主語 + 過去分詞…?」の形になります。

前置詞を含む受け身表現

一部の動詞は前置詞と組み合わせて使われ、受動態でも前置詞を保持します。

「look after」「take care of」「speak to」などの句動詞では、前置詞が動詞と密接に結びついているため、受動態でも前置詞を残します。

例文で確認してみましょう。

能動態: Someone looks after the children.
受動態: The children are looked after.

能動態: The nurse takes care of the patients.
受動態: The patients are taken care of by the nurse.

能動態: The teacher spoke to the students.
受動態: The students were spoken to by the teacher.

これらの表現では、前置詞が動詞の一部として機能するため、切り離すことができません。「look」だけで受動態を作ると意味が変わってしまいます。

注意すべき動詞として、「listen to」「laugh at」「talk about」なども同様のパターンを取ります。これらの句動詞を使った受動態では、前置詞を忘れずに含めることが重要です。

句動詞の受動態は日常会話でもよく使われるため、主要なものは例文とともに覚えておくと実用的です。辞書で句動詞を調べる際は、受動態での使い方も確認する習慣をつけると良いでしょう。

時制別の受け身の形と使い分け

受け身表現は様々な時制で使用でき、それぞれ異なる意味や状況を表現します。時制ごとの受動態をマスターすることで、より正確で自然な英語表現が可能になります。ここでは主要な時制での受け身の形と、実際の使用場面での使い分けを詳しく解説します。

現在時制の受け身(現在形・現在進行形・現在完了形)

現在形の受動態は「am/is/are + 過去分詞」の形で、習慣的な動作や一般的な事実を表現します。

  • English is taught in this school.(この学校では英語が教えられている)
  • The newspaper is delivered every morning.(新聞は毎朝配達される)
  • These products are made in China.(これらの製品は中国で製造されている)

現在進行形の受動態は「am/is/are + being + 過去分詞」で、現在進行中の動作を表します。

  • The road is being repaired now.(道路は今修理されている)
  • New houses are being built in this area.(この地域では新しい家が建設されている)
  • The meeting is being held in the conference room.(会議は会議室で開催されている)

現在完了形の受動態は「have/has + been + 過去分詞」で、過去から現在までの完了した動作や状態を表現します。

  • The project has been completed successfully.(プロジェクトは成功裏に完了した)
  • This book has been translated into many languages.(この本は多くの言語に翻訳されている)
  • The problem has been solved already.(問題はすでに解決されている)

これらの時制の使い分けは、動作のタイミングや継続性によって決まります。現在の習慣なら現在形、今まさに行われていることなら現在進行形、過去から現在への影響を強調するなら現在完了形を選択します。

過去時制の受け身(過去形・過去進行形・過去完了形)

過去形の受動態は「was/were + 過去分詞」で、過去の特定の時点での動作を表現します。

  • The letter was sent yesterday.(手紙は昨日送られた)
  • The building was constructed in 1990.(その建物は1990年に建設された)
  • The meeting was canceled due to bad weather.(会議は悪天候のためキャンセルされた)

過去進行形の受動態は「was/were + being + 過去分詞」で、過去の特定時点で進行中だった動作を表します。

  • The house was being painted when I visited.(私が訪問したとき、家は塗装中だった)
  • The documents were being reviewed by the committee.(書類は委員会によって検討されていた)
  • The concert was being performed while it was raining.(雨が降っている間、コンサートが行われていた)

過去完了形の受動態は「had + been + 過去分詞」で、過去のある時点よりも前に完了していた動作を表現します。

  • The report had been submitted before the deadline.(レポートは締切前に提出されていた)
  • The decision had been made by the time we arrived.(私たちが到着する頃には、決定はすでになされていた)
  • The problem had been solved before the meeting started.(会議が始まる前に問題は解決されていた)

過去時制の受動態は、物語や報告書でよく使われ、時系列を明確に示すために重要な役割を果たします。

未来時制の受け身(will・be going to・未来完了)

will + be + 過去分詞の形で、未来の予定や予測を表現します。

  • The new building will be completed next year.(新しい建物は来年完成される予定だ)
  • The results will be announced tomorrow.(結果は明日発表される)
  • This problem will be solved soon.(この問題はまもなく解決されるだろう)

be going to + be + 過去分詞は、計画されている未来の動作や、現在の状況から予測される未来を表します。

  • The meeting is going to be held next week.(会議は来週開催される予定だ)
  • The old bridge is going to be replaced.(古い橋は取り替えられる予定だ)
  • These houses are going to be demolished.(これらの家は取り壊される予定だ)

未来完了形の受動態は「will + have + been + 過去分詞」で、未来のある時点までに完了している動作を表現します。

  • The project will have been finished by the end of this month.(プロジェクトは今月末までに完了しているだろう)
  • The book will have been published by next spring.(本は来春までに出版されているだろう)
  • The construction will have been completed by 2025.(建設は2025年までに完了しているだろう)

未来時制の受動態は、計画や予測を表現する際に非常に有用で、ビジネス文書や学術論文でよく使用されます。

助動詞を含む受け身表現

can/could + be + 過去分詞は可能性や能力を表現します。

  • This problem can be solved easily.(この問題は簡単に解決できる)
  • The meeting could be postponed if necessary.(必要であれば会議は延期できる)
  • English can be learned at any age.(英語はどの年齢でも学ぶことができる)

must/should + be + 過去分詞は義務や推奨を表現します。

  • This form must be completed by Friday.(この用紙は金曜日までに記入されなければならない)
  • The report should be reviewed carefully.(レポートは注意深く検討されるべきだ)
  • Safety rules must be followed at all times.(安全規則は常に守られなければならない)

may/might + be + 過去分詞は可能性や推測を表現します。

  • The meeting may be canceled due to the storm.(嵐のため会議はキャンセルされるかもしれない)
  • The results might be announced earlier than expected.(結果は予想より早く発表されるかもしれない)
  • New policies may be implemented next year.(新しい政策が来年実施されるかもしれない)

これらの助動詞を含む受動態は、確実性の度合いや話し手の態度を表現するために重要です。フォーマルな文書やビジネスコミュニケーションで頻繁に使用される表現パターンです。

助動詞の意味を正確に理解し、適切な場面で使い分けることで、より洗練された英語表現が可能になります。

受け身でよくある間違いと注意点

受け身表現を学習する際、多くの学習者が同じような間違いを犯します。これらの典型的なミスを理解し、注意点を把握することで、より正確な受動態を使えるようになります。ここでは、実際によく見られる間違いパターンと、それらを避けるための具体的な対策を詳しく解説します。

be動詞の時制間違い

be動詞の時制を間違えることは、受動態で最も多い間違いの一つです。

よくある間違いとして、過去の出来事を表現する際に現在形のbe動詞を使ってしまうケースがあります。

❌ 間違い: The letter is written yesterday.
⭕ 正しい: The letter was written yesterday.
(手紙は昨日書かれた)

主語の単数・複数とbe動詞の一致も重要なポイントです。

❌ 間違い: The books is read by many people.
⭕ 正しい: The books are read by many people.
(その本は多くの人に読まれている)

時制の一致では、文脈に応じて適切な時制を選択する必要があります。現在の習慣的な動作なのか、過去の一回限りの出来事なのかを明確に区別しましょう。

現在完了形の受動態でも間違いが起こりやすく、「has/have been + 過去分詞」の形を「is/are been + 過去分詞」と誤用することがあります。

❌ 間違い: The project is been completed.
⭕ 正しい: The project has been completed.
(プロジェクトは完了している)

be動詞の選択に迷った際は、まず文の時制を確認し、次に主語の単数・複数を判断することで、正確な受動態を作ることができます。

過去分詞の形の間違い

過去分詞の形を間違えることも、受動態でよく見られるミスです。

不規則動詞の過去分詞を過去形と混同するケースが特に多く見られます。

❌ 間違い: The book was wrote by a famous author.
⭕ 正しい: The book was written by a famous author.
(その本は有名な作家によって書かれた)

規則動詞の過去分詞でも、-ed の付け方を間違えることがあります。

  • 語尾がeで終わる動詞: use → used( d のみ追加)
  • 語尾が子音+yで終わる動詞: study → studied(y を i に変えて ed)
  • 短母音+子音で終わる動詞: stop → stopped(最後の子音を重ねて ed)

よく間違えられる不規則動詞の過去分詞を以下の表にまとめました。

原形過去形過去分詞意味
breakbrokebroken壊す
choosechosechosen選ぶ
speakspokespoken話す
stealstolestolen盗む
writewrotewritten書く

不規則動詞の過去分詞は暗記が必要ですが、よく使われるものから優先的に覚えることで、実用的な受動態を作れるようになります。

by句の使い方の間違い

by句の使用について、いつ使うべきか、いつ省略すべきかを間違えることがあります。

一般的に知られている事実や、動作主が重要でない場合はby句を省略します。

⭕ 適切: English is spoken in many countries.
❌ 不自然: English is spoken by people in many countries.

不要なby句を付けてしまうと、文が不自然になります。

❌ 不自然: The window was broken by someone.
⭕ 自然: The window was broken.
(窓が割られた)

一方で、動作主が重要な情報の場合はby句を使用します。

⭕ This novel was written by Shakespeare.
(この小説はシェイクスピアによって書かれた)

前置詞の使い分けも注意が必要です。動作主には「by」を使いますが、手段や道具には「with」、原因には「by」または「from」を使用します。

  • The door was opened with a key.(ドアは鍵で開けられた)
  • The tree was damaged by the storm.(木は嵐で損傷を受けた)
  • He was surprised by the news.(彼はそのニュースに驚いた)

by句の適切な使用により、より自然で効果的な受動態表現が可能になります。

自動詞と他動詞の混同

自動詞(目的語を取らない動詞)は受動態にできないという重要なルールがあります。