英語のasとは何か?基本概念を理解しよう
英語のasは非常に多機能な単語で、塾講師として生徒に教える際には体系的な理解が欠かせません。多くの生徒が「asってどう使うの?」と疑問に思うのは、この単語が文脈によって全く異なる役割を果たすからです。基本的な概念をしっかりと押さえることで、指導の質を大幅に向上させることができます。
asの語源と基本的な意味
asの語源は古英語の「also(同様に)」から来ており、基本的には「同じように」「〜として」という比較や状態を表す概念が根底にあります。
この基本概念を理解することで、なぜasがこれほど多様な使われ方をするのかが見えてきます。塾講師として生徒に教える際は、まずこの「同じように」という核となる意味を伝えることが重要です。
多くの英語学習者がasの使い分けで困るのは、日本語に直訳しようとするからです。しかし、asの本質的な意味を理解すれば、どの文脈でも一貫した理解ができるようになります。
特に中学生や高校生に教える際は、「asは物事を比べたり、関係性を示したりする言葉」という説明から始めると効果的です。この基礎的な理解があることで、後に学ぶ複雑な用法も無理なく習得できるようになります。
現代英語におけるasの重要性
現代の英語において、asは日常会話から学術的な文章まで幅広く使用される重要な単語です。英語圏の人々は無意識のうちに様々な場面でasを活用しており、英語らしい表現を身につけるためには避けて通れない要素といえます。
塾講師として指導する際に知っておくべきなのは、asは単なる文法項目ではなく、英語の思考パターンを表現する重要なツールだということです。日本語話者にとって理解が困難な理由の一つは、日本語にはasほど多機能な単語が存在しないことにあります。
統計的に見ると、TOEICや英検などの資格試験でも、asを使った問題は頻出項目となっています。特に英検2級以上では、asの様々な用法を理解していることが前提となる問題が多く出題されます。
したがって、塾講師としては生徒の英語力向上のために、asの使い方を体系的かつ実践的に指導することが求められます。単に暗記させるのではなく、実際の英語使用場面を想定した指導を心がけることが大切です。
asと他の類似語との違い
asと混同しやすい単語として、like、such as、when、whileなどがあります。これらの違いを明確に理解し、生徒に分かりやすく説明できることは、優秀な塾講師の条件の一つです。
asとlikeの違いは特に重要で、多くの生徒がこの2つを混同します。簡単に言うと、asは「実際にそうである」ことを表し、likeは「似ている」ことを表します。例えば、「He works as a teacher」は実際に教師として働いていることを意味し、「He looks like a teacher」は教師のように見えることを意味します。
such asは具体例を挙げる際に使用されますが、as単体では使用できない場面があります。この違いを理解することで、より正確な英語表現ができるようになります。
塾講師として指導する際は、これらの違いを実例とともに説明し、生徒が実際に使い分けられるまで繰り返し練習させることが重要です。単純な暗記ではなく、理解に基づいた使い分けができるよう導くことが、長期的な英語力向上につながります。
asの6つの主要な使い方を完全解説
asには主要な6つの使い方があり、それぞれが異なる文法的役割を果たします。塾講師として効果的に指導するためには、これらの用法を体系的に理解し、生徒のレベルに応じて段階的に教えることが重要です。ここでは実際の指導現場で使える具体例とともに、各用法の特徴と教え方のポイントを詳しく解説します。
比較のas(as…as構文)
比較のasは中学英語の重要文法項目で、「〜と同じくらい」という意味を表します。as + 形容詞/副詞 + asの形で使用され、2つのものを比較する際の基本的な表現です。
基本構文:as + 形容詞/副詞 + as + 比較対象
具体例を見てみましょう。
・She is as tall as her sister.(彼女は姉と同じくらい背が高い)
・This book is as interesting as that one.(この本はあの本と同じくらい面白い)
・He runs as fast as a professional athlete.(彼はプロのアスリートと同じくらい速く走る)
塾講師として指導する際の重要なポイントは、生徒に「2つのものが同じレベルにある」というイメージを持たせることです。図やイラストを使って視覚的に理解させると効果的です。
否定形のnot as…asも重要で、「〜ほど…ではない」という意味になります。例えば、「This test is not as difficult as I thought」(このテストは思っていたほど難しくない)のように使用します。
応用として、twice as…as(2倍〜)、half as…as(半分〜)などの表現も合わせて指導すると、より実践的な英語力が身につきます。
理由・原因のas(接続詞)
理由・原因のasは「〜なので、〜だから」という意味で使用される接続詞です。becauseよりもフォーマルで、文の前半に置くことが多いのが特徴です。
基本的な使い方は以下の通りです。
・As it was raining, we stayed home.(雨が降っていたので、私たちは家にいた)
・As you are busy, I’ll call you later.(忙しそうなので、後で電話します)
・As the train was delayed, I was late for the meeting.(電車が遅れたので、会議に遅刻した)
塾講師として指導する際は、becauseとの違いを明確に説明することが重要です。asは理由が既に明らかな場合や、相手も知っている状況について使用することが多く、becauseよりも控えめで丁寧な印象を与えます。
また、asを使った理由の文は、通常文の前半に置かれることも指導ポイントです。「As + 理由, 結果」の語順になることを、例文を使って繰り返し練習させましょう。
上級者向けには、formal writing(正式な文書)でasがよく使用されることも教えると良いでしょう。学術論文やビジネス文書でよく見られる表現です。
様態のas(〜のように)
様態のasは「〜のように、〜として」という意味で、方法や様子を表現する際に使用します。この用法は日常会話でも頻繁に使われ、英語らしい表現を身につけるために重要です。
基本的な使用例は以下の通りです。
・Do as I told you.(私が言った通りにしなさい)
・She acted as a teacher.(彼女は教師として行動した)
・As expected, he passed the exam.(予想通り、彼は試験に合格した)
・Use this room as a study space.(この部屋を勉強スペースとして使ってください)
塾講師として指導する際のコツは、「実際にその状態や役割である」ことを強調することです。likeとの違いも合わせて説明しましょう。asは実際にその状態であることを示し、likeは似ていることを示します。
As usual(いつものように)、as follows(以下の通り)、as you know(ご存知の通り)などの慣用表現も重要です。これらは日常会話やビジネス英語で頻繁に使用されるため、まとめて覚えさせることが効果的です。
高校生以上には、as + 形容詞 + as + 主語 + 動詞の構文(例:as difficult as it is)も教えると良いでしょう。
時のas(〜している時に)
時のasは「〜している時に、〜しながら」という意味の接続詞で、2つの動作が同時に起こることを表現します。whileと似ていますが、よりピンポイントの時間を表すことが多いです。
使用例を見てみましょう。
・As I was walking to school, I met my friend.(学校に歩いて行く途中で、友達に会った)
・The phone rang as I was leaving the house.(家を出ようとしている時に電話が鳴った)
・As he grew older, he became wiser.(歳を重ねるにつれて、彼は賢くなった)
・As you can see, the results are improving.(見ての通り、結果は改善している)
塾講師として指導する際の重要ポイントは、時制の一致を意識させることです。過去の出来事を述べる場合、両方の文で過去時制または過去進行形を使用します。
whileとの使い分けも重要な指導項目です。asは変化のプロセスや具体的な瞬間を表すことが多く、「〜するにつれて」という意味でも使用されます。一方、whileは継続的な状況を表すことが多いです。
応用として、as soon as(〜するとすぐに)、as long as(〜する限り)などの関連表現も合わせて指導すると効果的です。
譲歩のas(〜ではあるが)
譲歩のasは「〜ではあるが、〜にもかかわらず」という意味で使用される、やや上級レベルの文法項目です。thoughやalthoughと同様の意味ですが、より文語的でフォーマルな表現です。
基本的な構文は形容詞/副詞 + as + 主語 + 動詞の倒置が特徴的です。
・Young as he is, he is very talented.(若いけれども、彼はとても才能がある)
・Hard as I tried, I couldn’t solve the problem.(一生懸命努力したけれども、問題を解けなかった)
・Much as I like him, I can’t agree with his opinion.(彼のことは好きだけれども、彼の意見には同意できない)
塾講師として指導する際は、まず倒置構造の理解から始めることが重要です。通常の語順(He is young, but…)と比較して、強調効果があることを説明しましょう。
この用法は英検準1級以上やTOEIC高得点を目指す生徒に重要です。文学作品や正式な文書でよく見られる表現のため、上級者向けの指導項目として位置づけることが適切です。
練習の際は、まず簡単な形容詞から始めて、徐々に複雑な表現に進むことが効果的です。
関係代名詞のas(〜するような)
関係代名詞のasは「〜するような、〜であるような」という意味で、先行詞がthe same、suchで修飾される場合に使用されます。この用法は中級レベル以上の重要な文法項目です。
主な使用パターンは以下の通りです。
the same + 名詞 + as
・This is the same book as I read yesterday.(これは昨日読んだのと同じ本です)
such + 名詞 + as
・I’ve never seen such a beautiful flower as this.(これほど美しい花を見たことがない)
as + 主語 + 動詞(先行詞全体を受ける)
・He passed the exam, as we expected.(予想通り、彼は試験に合格した)
塾講師として指導する際のポイントは、whichとの違いを明確に説明することです。asは「〜のような」という類似性を表し、whichは単純に先行詞を受けます。
As you know(ご存知の通り)、as I mentioned(先ほど述べたように)などの定型表現も重要です。これらは会話やライティングで頻繁に使用されるため、パターンとして覚えさせることが効果的です。
練習問題では、the same…asとsuch…asの構文を重点的に扱い、実際の英作文でも使えるレベルまで指導することが重要です。
塾講師が知っておくべきasの指導法とコツ
asの指導は多くの塾講師が苦手とする分野の一つです。その理由は、asの用法が多岐にわたり、生徒にとって理解が困難だからです。しかし、適切な指導法を身につけることで、生徒の理解度を大幅に向上させることができます。ここでは実際の指導現場で使える効果的な教授法と、よくある指導ミスを避けるためのコツを詳しく解説します。
段階的指導法の確立
段階的指導法は、asの複雑な用法を生徒に無理なく習得させるための基本戦略です。いきなりすべての用法を教えるのではなく、基礎から応用へと順序立てて指導することが重要です。
第1段階:比較のas(中学1〜2年生レベル)
最初に教えるべきはas…as構文です。これは比較的理解しやすく、日常会話でも頻繁に使用されるため、生徒の学習動機を高めることができます。
指導のコツは視覚的な説明を活用することです。身長比較やテストの点数比較など、生徒にとって身近な例を使って「同じレベル」であることを理解させましょう。
・John is as tall as Mike.(ジョンはマイクと同じくらいの身長)
・This apple is as sweet as that one.(このりんごはあのりんごと同じくらい甘い)
第2段階:理由のas(中学3年生〜高校1年生レベル)
次に理由・原因のasを導入します。この段階ではbecauseとの違いを明確に説明することが重要です。asの方がよりフォーマルで、理由が明らかな場合に使用されることを強調しましょう。
・As it’s raining, let’s stay inside.(雨が降っているので、中にいましょう)
第3段階:時・様態のas(高校1〜2年生レベル)
時のasと様態のasを同時に教えることで、生徒の理解度を高めることができます。両方とも「〜している時に」「〜のように」という状況描写に関わるためです。
第4段階:上級用法(高校2年生以上・大学受験レベル)
譲歩のasや関係代名詞のasなどの上級用法は、基礎が固まってから導入します。この段階では文法的分析力も重要になってきます。
実践的な練習方法
asの指導では、単純な暗記ではなく実践的な理解を促す練習方法が効果的です。以下に具体的な練習法を示します。
1. 穴埋め問題から英作文へ
最初は穴埋め問題で基本パターンを覚えさせ、徐々に自由英作文へと発展させます。
穴埋め例:「She is ( ) tall ( ) her mother.」
英作文例:「あなたの兄弟と同じくらい背が高い人について文を作ってください」
2. 日本語からの英訳練習
日本語の文章を英語に訳す際に、適切なasの用法を選択させる練習も効果的です。
例:「雨が降っているので、試合は中止になった」
→「As it was raining, the game was canceled.」
3. 長文読解での用法識別
英語の長文を読みながら、asの用法を識別させる練習を行います。これにより、実際の英語使用場面での理解力を高めることができます。
4. 音読・暗誦による定着
asを含む重要な例文を音読・暗誦させることで、語感を身につけさせます。特にas you know、as usualなどの慣用表現は、音読による練習が効果的です。
生徒の理解度チェック方法
生徒がasを本当に理解しているかどうかを確認するための効果的な方法をいくつか紹介します。
即座の用法判定テスト
英文を提示して、その中のasがどの用法かを即座に答えさせます。時間制限を設けることで、直感的な理解度を測ることができます。
例:「As I was walking, I saw a cat.」→「時のas」
英作文での応用力テスト
特定の用法のasを使った英文を作らせることで、応用力を確認します。単なる暗記ではなく、本当に理解しているかどうかが分かります。
間違い訂正問題
意図的に間違ったasの使い方をした英文を提示し、正しく訂正させます。これにより、各用法の区別ができているかを確認できます。
誤例:「He is tall like his father.」(職業として働いている場合)
正解:「He works as a doctor like his father.」→「He works as a doctor.」
説明能力の確認
生徒にasの各用法を他の人に説明させることで、真の理解度を測ります。人に説明できるレベルまで理解していれば、確実に身についていると判断できます。
生徒がつまずきやすいasのポイントと対策
asの指導において、多くの生徒が共通してつまずくポイントがあります。これらの典型的な間違いを事前に理解し、適切な対策を講じることで、効率的な指導が可能になります。長年の指導経験から見えてくる生徒の傾向と、それに対する具体的な解決策を詳しく解説します。
asとlikeの混同問題
最も頻繁に起こる間違いが、asとlikeの混同です。日本語では両方とも「〜のように」と訳されることが多いため、生徒は使い分けに苦労します。
間違いやすいパターン例
誤:「He works like a teacher.」
正:「He works as a teacher.」
誤:「She looks as her mother.」
正:「She looks like her mother.」
効果的な指導対策
「実際性」の概念で区別させることが最も効果的です。
・as = 実際にそうである、その役割を果たしている
・like = 似ている、そのような感じがする
視覚的説明法を使って、以下のような図解を示すと理解が深まります。
as(実際) | like(似ている) |
He acts as a police officer. (実際に警察官として行動) | He looks like a police officer. (警察官のように見える) |
Use this as a table. (実際にテーブルとして使用) | It looks like a table. (テーブルのように見える) |
この区別を理解させるために、ロールプレイ練習も効果的です。生徒に実際に「教師として話す」場面と「教師のように話す」場面を演じさせることで、体感的な理解を促進できます。
記憶定着のコツとして、「As = Actually(実際に)」という語呂合わせを教えることも有効です。
時制の一致の理解不足
時のasを使用する際の時制の一致で多くの生徒がつまずきます。特に過去の出来事を述べる際の時制選択に混乱が生じやすいです。
よくある間違い例
誤:「As I walk to school, I met my friend.」
正:「As I was walking to school, I met my friend.」
誤:「As he studies hard, he passed the exam.」
正:「As he studied hard, he passed the exam.」
効果的な指導対策
時間軸の視覚化が最も効果的な対策です。タイムラインを描いて、2つの動作の時間的関係を明確に示します。
段階的練習法を採用します。
- 現在時制の同時動作から始める
・As I study, I listen to music. - 過去時制の同時動作に進む
・As I was studying, I heard a noise. - 複合的な時制関係を扱う
・As he has grown older, he has become wiser.
時制チェックリストを作成して、生徒に配布することも効果的です。
・両方の動作が過去 → 両方とも過去時制
・継続していた動作がある → 過去進行形を使用
・現在まで続く変化 → 現在完了形を使用
語順とカンマの使い方
asを使った文の語順とカンマの位置も、生徒がつまずきやすいポイントです。特に理由のasで語順を間違える生徒が多く見られます。
間違いやすいパターン
誤:「I stayed home as it was raining.」(カンマなし)
正:「As it was raining, I stayed home.」
誤:「It was raining, as I stayed home.」(語順間違い)
正:「As it was raining, I stayed home.」
効果的な指導対策
「As文法ルール」として以下を覚えさせます。
・Asで始まる文は、通常文の前半に置く
・As + 理由, 結果の順番
・カンマは必ずAs句の後に置く
パターン練習を徹底的に行います。
練習例:
- 日本語で理由と結果を確認
- 「As + 理由」の部分を作る
- カンマを置く
- 結果の部分を続ける
音読練習も効果的です。正しいリズムと区切りを体で覚えさせることで、自然な語順感覚を身につけさせることができます。
「As it was RAINING, / we stayed HOME.」のように、適切な区切りを意識した音読を反復練習させましょう。
レベル別as指導カリキュラムの作り方
効果的なas指導のためには、生徒の英語レベルに応じた体系的なカリキュラムが不可欠です。無計画に様々な用法を教えても、生徒は混乱するだけで確実な習得には至りません。ここでは初級から上級まで、各レベルに最適化された指導プランと、実際の授業で使える具体的な教材例を提示します。
初級レベル(中学1〜2年生)カリキュラム
目標:比較のasを完全習得
初級レベルではas…as構文に集中し、確実な基礎固めを行います。この段階で焦って他の用法を教えると、かえって理解を阻害する結果になります。
第1週:基本概念の導入
・as…asの基本形「A is as 形容詞 as B」
・身近な例での比較練習(身長、年齢、好きなもの)
・視覚教材を使った「同じレベル」の理解
具体的な指導例:
・クラスメート同士の身長比較
・「Tom is as tall as Mike.」
・図解を使った等号(=)のイメージ説明
第2週:否定形の習得
・not as…as構文「A is not as 形容詞 as B」
・「〜ほど…ではない」の理解
・肯定文との使い分け練習
練習例:
・「This book is not as expensive as that one.」
・価格表を使った比較練習
・日常生活での比較表現
第3週:疑問文と応用
・「Is A as 形容詞 as B?」の疑問文
・答え方の練習「Yes, as…as / No, not as…as」
・様々な形容詞での応用練習
第4週:定着と応用
・学習内容の総復習
・簡単な英作文練習
・次レベルへの準備(理由のas予告)
評価基準
初級レベルの評価は以下の3点で判断します。
・基本的なas…as構文が正確に作れる
・否定形not as…asが適切に使える
・簡単な比較文が瞬時に言える
中級レベル(中学3年生〜高校1年生)カリキュラム
目標:理由・時・様態のasをマスター
中級レベルでは3つの主要用法を段階的に習得します。初級で身につけた比較のasとの違いを明確にしながら、新しい用法を導入することが重要です。
第1-2週:理由のas習得
・As + 理由, 結果の基本構文
・becauseとの違いと使い分け
・フォーマルな文章での活用
指導ポイント:
・「既に知られている理由」でasを使用
・文の前半に置く語順の重要性
・カンマの正確な位置
練習例:
・天気による行動変更の表現
・「As it’s sunny, let’s go to the park.」
・ニュース記事での理由表現分析
第3-4週:時のas習得
・同時動作を表すasの理解
・whileとの使い分け
・時制の一致に注意した練習
重要な指導項目:
・過去進行形との組み合わせ
・「〜している時に」の正確な表現
・タイムラインを使った視覚的理解
第5-6週:様態のas習得
・「〜として、〜のように」の表現
・職業や役割を表すas
・likeとの明確な使い分け
実践練習:
・職業紹介の英作文
・「He works as a teacher.」
・役割を表す様々な表現
第7-8週:総合練習と定着
・3つの用法の識別練習
・長文読解での用法判定
・実際の英作文での活用
評価方法
中級レベルでは以下の能力を評価します。
・3つの用法を正確に識別できる
・適切な語順とカンマで文が作れる
・日常的な場面で自然に使用できる
上級レベル(高校2年生以上・大学受験)カリキュラム
目標:全用法の完全習得と応用力向上
上級レベルでは譲歩のasと関係代名詞のasを含む全用法を習得し、実際の英語使用場面で活用できるレベルを目指します。
第1-2週:関係代名詞のas
・the same…as構文の習得
・such…as構文の理解
・先行詞全体を受けるasの用法
高度な練習例:
・「This is the same book as I recommended.」
・学術文書での関係代名詞as
・whichとの使い分け
第3-4週:譲歩のas
・倒置構造の理解と習得
・「〜ではあるが」の高度な表現
・文語的表現としての特徴
重要な指導ポイント:
・形容詞/副詞 + as + 主語 + 動詞の語順
・though, althoughとの違い
・文学作品での使用例分析
第5-6週:応用表現と慣用句
・as follows(以下の通り)
・as you know(ご存知の通り)
・as a matter of fact(実際のところ)
これらの定型表現は暗記と反復練習で確実に身につけさせます。
第7-8週:総合応用力の育成
・大学入試レベルの長文読解
・自由英作文での全用法活用
・ディスカッションでの実践使用
評価基準
上級レベルでは以下の総合力を評価します。
・全6用法を瞬時に識別し正確に使用できる
・formal writingで適切にasを活用できる
・speakingでも自然にasを使用できる
効果的な復習システム
スパイラル学習法を採用し、定期的な復習で知識の定着を図ります。
毎週の復習
・前週学習内容の確認テスト
・間違いやすいポイントの再説明
・新出用法との比較練習
月単位の復習
・全用法の総合テスト
・長文読解での実践確認
・弱点分析と個別指導
学期末の総合評価
・レベル別到達度テスト
・次学期への課題設定
・個人別学習プランの作成
効果的なカリキュラム運営のためには、生徒一人ひとりの進度と理解度を常に把握し、必要に応じて個別対応を行うことが重要です。
asを使った効果的な練習問題と解答例
実際の指導現場では、理論の説明だけでなく実践的な練習が生徒の習得度を大きく左右します。ここでは各レベルの生徒に適した練習問題を段階別に提示し、指導者が実際の授業で活用できる具体的な問題例と詳細な解答例を示します。効果的な採点基準と、間違いやすいポイントの指導法も合わせて解説します。
基礎レベル練習問題
【練習問題1:比較のas基本形】
次の日本語を英語に直しなさい。
- 彼女は母親と同じくらい背が高い。
- この車はあの車ほど速くない。
- 今日は昨日と同じくらい暖かい。
- この問題はあの問題と同じくらい難しい。
- 彼は兄と同じくらい勉強ができる。
【解答例】
- She is as tall as her mother.
- This car is not as fast as that one.
- Today is as warm as yesterday.
- This problem is as difficult as that one.
- He is as good at studying as his brother.
指導ポイント
・as + 形容詞 + asの語順を確実に覚えさせる
・否定文ではnot as…asを使用
・good at -ingなどの慣用表現も含める
【練習問題2:穴埋め問題】
適切な語を入れて文を完成させなさい。
- This book is ( ) interesting ( ) that movie.
- She doesn’t run ( ) fast ( ) her sister.
- The weather today is ( ) nice ( ) yesterday.
- My room is not ( ) big ( ) yours.
- English is ( ) important ( ) mathematics.
【解答例】
- as / as
- as / as
- as / as
- as / as
- as / as
採点基準
・両方のasが正確に入っている(各1点)
・語順が正しい(1点)
・全体で10点満点
この練習ではパターン認識を重視し、as…asの基本形を体に覚え込ませることが目的です。
中級レベル練習問題
【練習問題3:用法識別問題】
以下の英文中のasがどの用法か答え、日本語に訳しなさい。
- As I was cooking dinner, the phone rang.
- She is as beautiful as her mother.
- As you are tired, you should rest.
- He works as a doctor in this hospital.
- As the sun set, the temperature dropped.
【解答例】
- 時のas – 夕食を作っている時に、電話が鳴った。
- 比較のas – 彼女は母親と同じくらい美しい。
- 理由のas – 疲れているので、休むべきです。
- 様態のas – 彼はこの病院で医師として働いている。
- 時のas – 日が沈むにつれて、気温が下がった。
指導のコツ
この練習では文脈判断力を育成します。生徒には以下の判断基準を教えましょう。
・理由のas:文の前半にあり、カンマで区切られている
・時のas:動作の同時性や変化を表している
・様態のas:職業や役割を表している
・比較のas:as…asの形になっている
【練習問題4:英作文問題】
以下の状況をasを使って英語で表現しなさい。
- 雨が降っているので、家にいることにした。
- 歩いている時に、友達に会った。
- 彼は教師として働いている。
- この映画はあの映画と同じくらい面白い。
- 年を取るにつれて、彼は賢くなった。
【解答例】
- As it was raining, I decided to stay home.
- As I was walking, I met my friend.
- He works as a teacher.
- This movie is as interesting as that one.
- As he grew older, he became wiser.
評価基準
・適切なas用法の選択(2点)
・正確な語順(2点)
・時制の一致(1点)
・各問題5点で総計25点
上級レベル練習問題
【練習問題5:高度な用法問題】
以下の英文をasを使って書き換えなさい。
- Although he is young, he is very talented.
- This is the same type of car which I bought last year.
- Because everyone knows this fact, I won’t explain it again.
- While the economy was improving, unemployment remained high.
- He acted like a professional, but he was actually an amateur.
【解答例】
- Young as he is, he is very talented.(譲歩のas)
- This is the same type of car as I bought last year.(関係代名詞のas)
- As everyone knows this fact, I won’t explain it again.(理由のas)
- As the economy was improving, unemployment remained high.(時のas)
- He acted as a professional, but he was actually an amateur.(様態のas)
指導重点項目
・譲歩のasでは倒置構造に注意
・関係代名詞のasではthe sameとの組み合わせを確認
・likeからasへの変換では意味の違いを理解
【練習問題6:総合応用問題】
以下の英文を読み、下線部のasの用法を答え、文章全体を日本語に訳しなさい。
“As technology advances rapidly, our lives have become as convenient as ever before. Many people now work as freelancers, using the same tools as large corporations use. As we can see from recent surveys, remote work has become increasingly popular. However, difficult as it may seem, maintaining work-life balance remains a challenge.”
【解答例】
- 1つ目のas:理由のas
- 2-3つ目のas:比較のas(as convenient as)
- 4つ目のas:様態のas
- 5つ目のas:関係代名詞のas
- 6つ目のas:理由のas(As we can see)
- 7つ目のas:譲歩のas(difficult as it may seem)
日本語訳
「技術が急速に進歩するにつれて、私たちの生活はかつてないほど便利になった。多くの人々が今では大企業が使用するのと同じツールを使って、フリーランサーとして働いている。最近の調査から分かるように、リモートワークはますます人気が高まっている。しかし、困難に見えるかもしれないが、ワークライフバランスを保つことは依然として課題である。」
総合評価基準
・用法識別の正確性(各2点)
・日本語訳の自然さ(10点)
・文法的理解度(5点)
・総計35点満点
この総合問題では、実際の英語使用場面に近い複合的な理解力を評価します。生徒には文脈から用法を判断する力と、正確な日本語表現力の両方が求められます。
効果的な練習問題活用のためには、解答後の詳細な解説と間違い分析が重要です。単に正解を示すだけでなく、なぜその用法になるのかの論理的説明を提供し、生徒の深い理解を促進しましょう。