英語の受け身(受動態)を完全マスター!基本から応用まで分かりやすく解説

英語学習において多くの人が苦手意識を持つ「受け身(受動態)」。文法書を読んでも複雑に感じたり、実際の会話で使えなかったりする方も多いのではないでしょうか。

受け身は英語の重要な文法要素の一つであり、日常会話からビジネス英語まで幅広く使われています。この記事では、英語の受け身について基本から応用まで段階的に解説し、確実にマスターできるよくある間違いとして、自動詞を受動態にしようとするケースがあります。

❌ 間違い: I was happened an accident.
⭕ 正しい: An accident happened to me.
(私に事故が起こった)

自動詞の例には以下のようなものがあります。

  • happen(起こる)
  • occur(生じる)
  • exist(存在する)
  • arrive(到着する)
  • die(死ぬ)
  • sleep(眠る)

これらの動詞は目的語を取らないため、受動態にすることができません。

他動詞と自動詞の区別が難しい場合は、その動詞が目的語を必要とするかどうかを確認しましょう。

他動詞の例:

  • make(作る)→ 受動態可能
  • send(送る)→ 受動態可能
  • build(建てる)→ 受動態可能

句動詞の場合は特に注意が必要です。一部の句動詞は他動詞的に働き、受動態が可能です。

  • look after(世話をする)→ 受動態可能
  • take care of(世話をする)→ 受動態可能
  • look at(見る)→ 受動態可能

辞書で動詞を調べる際は、自動詞(vi.)か他動詞(vt.)かを確認する習慣をつけることで、このような間違いを避けることができます。

自動詞と他動詞の区別を正確に理解することで、適切な受動態の使用が可能になり、より自然な英語表現ができるようになります。

受け身を使った実践的な表現と例文

受け身表現は日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使用されています。実際の場面でよく使われる表現パターンを理解し、練習することで、自然な英語コミュニケーションが可能になります。ここでは、場面別の実用的な受け身表現を豊富な例文とともに紹介します。

日常会話でよく使われる受け身表現

日常生活では、身の回りの出来事や状況を表現するために受け身がよく使われます。

食事や料理に関する表現では、食材の調理法や料理の特徴を述べる際に受動態が頻繁に使用されます。

  • This bread is baked fresh every morning.(このパンは毎朝焼きたてです)
  • The vegetables are grown locally.(野菜は地元で栽培されています)
  • This dish is served with rice.(この料理はライスと一緒に提供されます)
  • The coffee beans are imported from Brazil.(コーヒー豆はブラジルから輸入されています)

買い物や製品について話す際も受動態が便利です。

  • These shoes are made in Italy.(この靴はイタリア製です)
  • The store is closed on Sundays.(店は日曜日に閉まっています)
  • This product is recommended by doctors.(この製品は医師に推奨されています)
  • The price has been reduced by 20%.(価格は20%下げられました)

家庭や住環境の話題でも受け身表現が多用されます。

  • The house was built in 1985.(家は1985年に建てられました)
  • The garden is watered twice a week.(庭は週に2回水やりされます)
  • The windows are cleaned monthly.(窓は月に一度清掃されます)
  • The heating is controlled automatically.(暖房は自動的に制御されています)

これらの表現は日常会話で自然に使えるようになると、より流暢な英語コミュニケーションが可能になります。

ビジネスシーンでの受け身表現

ビジネス英語では、受動態がフォーマルで客観的な表現として好まれます。

会議や報告に関する表現では、プロフェッショナルな印象を与えるために受動態が効果的です。

  • The meeting has been scheduled for next Tuesday.(会議は来週火曜日に予定されています)
  • The proposal will be reviewed by the board.(提案は取締役会で検討される予定です)
  • The deadline has been extended until Friday.(締切は金曜日まで延長されました)
  • The contract was signed yesterday.(契約は昨日署名されました)

プロジェクト管理では、進捗状況や完了状態を報告する際に受動態が重宝されます。

  • The project has been completed successfully.(プロジェクトは成功裏に完了しました)
  • The budget is being reviewed quarterly.(予算は四半期ごとに見直されています)
  • New software will be installed next month.(新しいソフトウェアが来月インストールされます)
  • The report was submitted on time.(レポートは期限内に提出されました)

人事や組織に関する発表でも受動態が多用されます。

  • John has been promoted to manager.(ジョンはマネージャーに昇進しました)
  • The new policy will be implemented starting Monday.(新しい方針が月曜日から実施されます)
  • Training sessions are held monthly.(研修は月に一度開催されています)
  • The department is being reorganized.(部署は再編成されています)

ビジネスシーンでの受動態使用により、責任の所在を曖昧にしたり、より丁寧で客観的な表現ができるようになります。

学術・研究分野での受け身表現

学術論文や研究発表では、客観性と正確性を重視するため受動態が標準的に使用されます。

研究手法や実験過程を記述する際の典型的な表現パターンがあります。

  • The experiment was conducted over six months.(実験は6ヶ月間にわたって実施されました)
  • Data were collected from 200 participants.(データは200人の参加者から収集されました)
  • The results are presented in Table 1.(結果は表1に示されています)
  • The hypothesis was tested using statistical analysis.(仮説は統計分析を用いて検証されました)

発見や結論を述べる際も受動態が効果的です。

  • It was found that temperature affects the reaction rate.(温度が反応速度に影響することが判明しました)
  • The correlation was observed between the two variables.(2つの変数間に相関関係が観察されました)
  • The theory has been supported by recent studies.(その理論は最近の研究によって支持されています)
  • New evidence was discovered in the archaeological site.(考古学的遺跡で新たな証拠が発見されました)

先行研究や引用に関する表現でも受動態が重要です。

  • This method was first developed by Smith (2010).(この手法は最初にSmith(2010)によって開発されました)
  • The concept has been widely accepted in the field.(この概念は分野で広く受け入れられています)
  • Similar results were reported in previous studies.(同様の結果が以前の研究で報告されています)
  • The model has been modified for this research.(モデルはこの研究のために修正されました)

学術分野での受動態習得により、より専門的で信頼性のある文章作成が可能になります。

ニュースや報道での受け身表現

ニュース英語では、客観的な報道と事実の伝達のために受動態が頻繁に使用されます。

事件や事故の報道では、動作主よりも出来事自体に焦点を当てるため受動態が効果的です。

  • A new law was passed by the parliament yesterday.(昨日国会で新しい法律が可決されました)
  • The building was damaged in the earthquake.(建物は地震で損傷を受けました)
  • Three people were arrested in connection with the robbery.(強盗事件に関連して3人が逮捕されました)
  • The road has been closed due to flooding.(洪水のため道路は閉鎖されています)

政治や経済のニュースでも受動態が多用されます。

  • Interest rates were raised by 0.5%.(金利は0.5%引き上げられました)
  • The treaty was signed by both countries.(条約は両国によって署名されました)
  • Tax reforms are being discussed in the congress.(税制改革が議会で議論されています)
  • The election results will be announced tonight.(選挙結果は今夜発表される予定です)

スポーツや文化のニュースでも受動態表現が見られます。

  • The game was won by a single goal.(試合は1点差で勝利されました)
  • The concert has been postponed until next week.(コンサートは来週まで延期されました)
  • The award was presented to the young actress.(賞は若い女優に授与されました)
  • The museum will be reopened after renovation.(博物館は改装後に再開される予定です)

ニュース英語の受動態パターンを理解することで、英語での情報収集能力が向上し、国際的な視野を広げることができます。

受け身をマスターするための効果的な学習方法

受け身表現を確実にマスターするためには、系統的で継続的な学習アプローチが重要です。理論的な理解だけでなく、実践的な練習と応用を通じて、自然に受動態を使えるレベルまで到達する必要があります。ここでは、効果的な学習方法と実践的なトレーニング法を詳しく解説します。

段階的な練習方法とトレーニング

基礎固め段階では、受動態の基本構造を確実に理解することから始めます。

まず、be動詞 + 過去分詞の基本パターンを、簡単な動詞を使って練習しましょう。

練習手順は以下の通りです。

  1. 規則動詞での基本練習(make → made, clean → cleaned など)
  2. 不規則動詞での応用練習(write → written, break → broken など)
  3. 時制変化の練習(現在形 → 過去形 → 未来形)
  4. 否定文・疑問文への変換練習

変換練習は受動態習得の核となる訓練です。能動態から受動態への変換を繰り返し行うことで、文構造の理解が深まります。

練習例:

  • 能動態: The teacher explains the lesson.
  • 受動態: The lesson is explained by the teacher.

音読練習も非常に効果的です。受動態の文章を声に出して読むことで、語順やリズムが自然に身につきます。

段階的に難易度を上げていくことで、確実なスキル定着が図れます。基礎ができてから応用に進むことで、混乱を避けながら効率的に学習できます。

よく使われる受け身表現の暗記法

頻出表現の暗記は、実用的な受動態スキル習得の近道です。

日常会話でよく使われる受動態表現をカテゴリー別に整理して覚えましょう。

基本的な表現リスト

カテゴリー表現例意味
製造・生産made in Japan日本製
言語spoken in many countries多くの国で話されている
時間built in 19901990年に建てられた
状態known for quality品質で知られている
場所located in the center中心部に位置している

これらの表現は文章として覚えることで、単語の組み合わせや語順も同時に習得できます。

語呂合わせや関連付けを活用することで、記憶の定着率が向上します。例えば、「be known for」(〜で知られている)は「ビー・ノウン・フォー」として音で覚え、有名な事例と関連付けて記憶します。

反復学習スケジュールを設定し、定期的に復習することで長期記憶に定着させることができます。

実践的な練習問題と解答のコツ

変換問題では、能動態と受動態の相互変換を練習します。

練習問題例:
問題: Someone stole my bicycle yesterday.
解答: My bicycle was stolen yesterday.

解答のコツ

  1. 目的語を新しい主語にする
  2. 動詞の時制を確認してbe動詞を選択
  3. 過去分詞の形を正確に作る
  4. by句の必要性を判断する

穴埋め問題では、適切なbe動詞や過去分詞を選択する練習をします。

問題: The letter _ _ by John yesterday.
選択肢: a) is written b) was written c) has written
解答: b) was written

解答のコツ

  1. 時制の手がかり語(yesterday, tomorrow, already など)を確認
  2. 主語の単数・複数を判断
  3. 文脈から適切な時制を選択

並び替え問題では、語順の理解を深めます。

問題: [built / was / 1990 / in / house / the]
解答: The house was built in 1990.

解答のコツ

  1. 主語を最初に置く
  2. be動詞を主語の後に配置
  3. 過去分詞を続ける
  4. 修飾語句を適切な位置に置く

練習問題を継続的に解くことで、受動態の感覚が自然に身につきます。

おすすめの学習教材と参考書

文法書では、受動態の詳細な解説と豊富な例文が掲載されているものを選びましょう。

初級者向けには、基本的な構造から段階的に学べる教材が適しています。視覚的な図解や表が多用されている本は理解しやすくおすすめです。

中級者以上には、より複雑な受動態表現や応用的な使い方を扱った教材が効果的です。

練習問題集は、豊富な問題量と詳しい解説があるものを選択しましょう。

問題のレベルが段階的に上がっているものや、ジャンル別に分類されているものが学習しやすいでしょう。解答だけでなく、なぜその答えになるのかの説明があるものが理解を深めます。

オンライン教材も効果的な学習手段です。

インタラクティブな練習問題や音声付きの例文は、従来の紙ベースの教材では得られない学習体験を提供します。

即座にフィードバックが得られるため、間違いをすぐに修正できる利点があります。

映画や英語ニュースでの実践的な学習も重要です。

実際に使われている受動態表現を聞くことで、自然な使い方を学べます。字幕付きで視聴し、受動態が使われている場面をメモすることで効果的な学習ができます。

複数の教材を組み合わせることで、理論と実践の両面から受動態をマスターできます。自分の学習スタイルや レベルに合った教材を選択し、継続的に学習することが成功の鍵となります。


まとめ

英語の受け身(受動態)は、最初は複雑に感じるかもしれませんが、基本的な構造と使い方を理解すれば確実にマスターできる文法項目です。

be動詞 + 過去分詞という基本形から始まり、様々な時制での応用、実践的な表現まで段階的に学習することで、自然な英語コミュニケーションが可能になります。

受動態の習得により、より豊かで正確な英語表現ができるようになり、読解力や聞き取り能力も向上します。

日常会話からビジネス、学術分野まで幅広く使われる受け身表現を身につけることで、英語学習の大きな前進となることは間違いありません。

継続的な練習と実践を通じて、ぜひ受動態を完全にマスターしてください。

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